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敏洋’s 昭和の恋物語り

[ブルーの住人]第四章:蒼い友情 〜まーだー〜 

2023年12月02日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



(十二)そのニヒルさが
 青春の真っただ中にいるわたしの夢といえば、小さなことだと笑われるかもしれないけれども、やっぱり異性との交際につきる。 遠くからじっと見ているだけのわたしが、ゆめ見てはため息を吐いていたわたしが、当たって砕けろ! と。
玉砕の憂き目にあったこともあるけれども、デートにこぎつけられたことも。二度三度とデートをかさねて、ゆっくりながらも階段を上がっていく。手をにぎることで、どぎまぎした初デート。二度目は相合傘で肩を抱き、そして三度目のデートで甘いキス。
思いが達せられたと歓びに満ちあふれつつも、一瞬間過ぎるきょだつ感。温かいぬくもりに包まれながらも、とつじょ襲いくるくうきょ感。デートの間中、一瞬のかげりも見のがさない。そしてそのかげりに、どれ程にこころを痛めたことか。
 相手に見せる笑いの中に、どこか暗さといったようなものが現れ出ているらしい。そのニヒルさがたまらないという女性もいた。ネクラと称された眉間にしわをよせる仕種が、いまでは男の顔だと称される。笑ってしまう、まったく。

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