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敏洋’s 昭和の恋物語り

[宮本武蔵異聞] 我が名は、ムサシなり! (三十一) 

2023年11月17日 外部ブログ記事
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(吉岡一門 五)
よくじつ、「吉岡清十郎敗れる」の報が、またたく間に京の町をかけ巡った。日頃の吉岡一門の傍若無人さに腹をすえかねていた町人のあいだから拍手喝采のこえがあがった。そんな中で、吉岡道場は混乱の極みにある。足利将軍の剣術指南役をも務めた、名門中の名門なのだ。その当主が、日の本一を自負していた吉岡道場の当主がやぶれたのだ。あってはならぬ事態が起きてしまったのだ。
床にふせる清十郎の枕元で、伝七郎が梶田をなじった。「なぜ言わなかった。このお役目は、わたしが勤めるべきことぞ。亡き父上より言いつかっていた、隠密裏に運ぶべきことぞ。わたしならば万が一のことがあったとしても吉岡の名に傷はつかぬものを。梶田、わかっているな。万が一にも身共が帰らぬおりには、細々でも良い、道場を残すことだけを考えてくれ。間違っても再々度の闘いはいどむでないぞ」
 粗野な弟だとなげいていた伝七郎が、父の厳命によって陰からささえていたとは思いもよらぬことだった。「すまぬ。許せよ伝七郎。知らぬこととはいえ、いままでお前のことを‥‥」 涙ながらに謝罪する清十郎にたいし「良いのです、兄上」と、しっかりと手を握りながらうなずいた。そしてその日以後、伝七郎の姿が消えた。
 清十郎を倒し、仇討ちといどんできた弟の伝七郎をも打ち負かしたことで、ようやく剣術指南役の道がひらけるものと期待したムサシだったが、突如、清十郎の遺児又七郎からの果たし状がとどけられた。さすがに、まだいたいけない子どもを相手にすることにためらいを感じるムサシだったがこの闘いに勝てば、安穏な生活を送れるだろう≠ニ、腹をくくった。
「又七郎さま、まだご幼少なれば、門人の助太刀を認められたし!」 一理ある申し出に断りを出すわけにもいかず、といって数十名を相手にするなどは、いかなムサシといえども無謀なことだ。思案の末に、待ち伏せをして大将である又七郎を討ちとることにした。大将を討ちとれば、門人たちに大義名分がなくなる。そう踏んでのことだった。

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