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敏洋’s 昭和の恋物語り

[ブルーの住人]第四章:蒼い友情 〜まーだらー〜 

2023年11月04日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



(八)詭弁
「ひとつ目人間の国にまよいこんだ男が、年月が経つにつれて、ふたつ目のおのれを不具者と見てしまう。こわいことだけれど、いつの時代でも起きている。真理なんてものは存在していないのさ。そんなものは時代じだいで変わるものだ。『後世の歴史家が判断してくれる』って言い訳するけれども、あんなものは詭弁だね」
「だってその時代に生きた者にとっては、後世の人間なんて関係ないだろうが。人間だれしも、幸せになるために生きてるんだろ? そのために一所懸命がんばるんだろ? 但し、ただしだ。欲ばってはいけない。分相応ってやつを考えなけりゃ。戦争なんて、欲ばりの人間がひきおこすものさ」
「仕掛けた方が欲ばりだと、断言はできないだろうけれどね。じっと我慢の子だった方が、もう我慢ならん! となる時だってあるだろうからさ」立て板に水のごとくに話す。いつもこの調子だ。たとえ話を組みこまれては、妙に納得せねばならないような錯覚におそわれてしまう。やっぱり、物わかりが良すぎるのだろうか。

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