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敏洋’s 昭和の恋物語り

[宮本武蔵異聞] 我が名は、ムサシなり! (二十九) 

2023年11月03日 外部ブログ記事
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(吉岡一門 三)
しびれを切らした門人たちが、口々に「遅い、遅いのお」「怖じ気づいたのであろう」「刻限は伝えてあるよな」「もしかして文字が読めぬのか」と大きく笑いだした。
 大地からの冷気が身体を冷やしていく。足を踏みならす者や指に息を吹きかける者、互いの体をぶつけ合って暖をとる者もいた。「少しは落ち着かぬか、見苦しいぞ」「されど、こう冷えましては」 梶田の声かけにも、門人たちは従うことなく体を動かしつづけた。
「ムサシだ、ムサシが居るぞ!」「せんせえい。ムサシが、後ろに」 本堂の欄干に足をかけたムサシがいた。獣の皮で作った肩掛けで体を冷やさぬようにしている。更に足首にも巻き付け、手には手ぬぐいが巻かれている。
「なんとも面妖な、まるで猟師ではないか。軟弱者が!」 一人の門人があざ笑った。「これは笑止な。肩や手を冷やすなど、武芸者たる者のなすべき事か。なるほど分かったぞ。なればこその、なよなよ剣法か」
 遠巻きにしている見物人にも聞こえよとばかりに、ムサシが声を張り上げた。いきり立つ門人たちを制して、梶田が清十郎に耳打ちをした。「これがムサシの手でございましょう。どうぞ、お気になさらぬように。怒りにお心を囚われては、剣に陰りが生まれまする」「分かっておる。案外にムサシなる者、兵法者のようだな」

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