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敏洋’s 昭和の恋物語り
水たまりの中の青空 〜第一部〜 (百)
2021年04月21日
テーマ:テーマ無し
「光子さん。こんなことを聞いていいのかどうか、正直分からんのですが」
「まあ、こわいことを。どんなことでしょう?」
武蔵にしては珍しく、言葉が饒舌に出てこない。
「別に聞くことでもないし、聞かない方がいいのかも、しれんし……」
「武蔵さまにしては、珍しく弱気ですね? そんなことじゃ、陥ちるものも陥ちませんことよ」
にこやかに微笑みながら、光子が急かす。
「答えたくなかったら、答えなくてもいいですから。いやいかん。もう、弱気の虫が出た。
深い意味はないんです、ただ聞きたいだけですから」
「はいはい、どんなことでしょう?
あたくしも、どんなことを聞かれるのか、楽しみになってきました」
砂地に足を取られての歩みは、少しの時間といえども結構きつい。
足腰の強さでは人後に落ちない武蔵だが、ふくらはぎに違和感を感じ場しめた。
武蔵の顔のゆがみが、眉をひそめる回数が増えたことに気付いた女将が「ここに、腰をおろしません?」と、砂地を指さした。
「そうだね、少し足が吊ってきた」。男の沽券に関わることではあるが、ここは女将の気遣いとして受け入れることにした。
というよりも、武蔵の弱音をさらすことも女将には何かしら有効な手段に思えた。
女傑の女将だ、あまり男を強調したのではかえって反感を買いそうな気がしたのだ。
砂粒で遊びながら相変わらず笑みを絶やさない光子と、己の優柔不断さに苛立つ武蔵だ。
「光子さん、分かってるんだね。ぼくの聞きたいことが。
それでそんなに、にこやかだとは。人が悪いね、意外と」
「旅館業というのは、やはり女将しだいですか?」
おや? という表情で、しかしきっぱりと光子は答えた。
「はい。基本はおもてなし、でございますから」
「ふーん。男は、裏方、ですか」
「そうでごさいますね、表に出てくることはございません。
でもだからといって、遊んでいて良いいわけはないのでございますよ」
「髪結いの亭主、とはいきませんか」
「ほほほ。髪結いのご亭主さまも、決して遊んでばかりいられることはないと思いますわ」
「だとすると、光子さんのご主人も、、、」
「宅は、だめでございます。恥を申し上げるようですが」
武蔵のことばを遮っての言葉だが、表情が一気に暗くなった。
「お酒が、多くなりました」
「そいつは、耳が痛い」
「いえ。武蔵さまのご酒は、楽しいご酒でございますから」
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