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敏洋’s 昭和の恋物語り

水たまりの中の青空 〜第一部〜  (四十一) 

2020年12月03日 外部ブログ記事
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 ざわついていた着替え室が、突然静まり返った。
「グッ モーニン!」
「オゥ! アナスターシア!」
 マッケンジーが満面の笑みを湛えて、駆け寄った。一斉に全員の視線がアナスターシアに向けられた。
「OK、OK!」
 見る見るマッケンジーに生気が戻り、パンパンと手を叩いて皆を急かした。
ラストシーンに向けて、小夜子を除く全員がステージに出た。
拍手喝采の中、アナウンスが告げられた。

「皆さま、大変お待たせいたしました。本日の主役のご登場です。
世界の希望、世界の夢、アナスターシア嬢です」
 一段と大きな拍手が沸き起こり、今か今かとその登場を待ちわびた。
灯りが落とされ、ライトが一点を照らす。そしてその中に、アナスターシアが立っていた。
そして、会場が静まり返り、何とも言い難い雰囲気に包まれた。
あのポスターにあったドレスを着ての登場だった。
大きく開いた胸元から、透き通るような白い肌を惜しげもなく見せて。

 息苦しささえ感じる中、ゆっくりとアナスターシアが歩く。
その一挙手一投足に、会場中が目を奪われた。
ピンクチェリーと呼ぶに相応しい唇、凛とした鼻、深く今にも吸い込まれそうな青い瞳、そして光り輝くブロンドの髪。
どれ一つをとっても、非の打ち所がない。
ステージの袖から、小夜子もまた見とれていた。

 うっとりと見上げる、紳士淑女連。
誰もがアナスターシアの姿に、圧倒されている。
この一点のドレス姿だけで、このショーの成功があった。
アナスターシアだけで、感銘を受けた。
T字型のステージの先端で、クルリとターンをし、ゆっくりと戻っていく。
そこでやっと、呪縛から逃れでたかのように、万雷の拍手が沸き起こった。
アナスターシアの姿がステージから消えても、止むことなく拍手が続いた。

 改めてアナスターシアが登場した時、着物姿で現れたアナスターシアに、大きなため息が洩れた。
「花魁みたい……」
 そして、鳴り止まぬ拍手が、会場中に響いた。
「ハラショー!ハラショー!」
 マッケンジーがアナスターシアに飛びついた。
感極まって、キスの嵐をふり注ぐ。

「コングラチュレーション!」と、前田が百貨店の坂田が握手を求める。
モデルたちの拍手の中、アナスターシアが小夜子に近づいてきた。
「プリティガール、マイシスター、マイファミリー!」と、抱きついてきた。
その光景に、マッケンジーが肩をすくめる。
そして、いきなりの抱擁に戸惑う小夜子。
アナスターシアが言う言葉の意味が分からず、言葉を返せない。
「あ、あの……」

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