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敏洋’s 昭和の恋物語り
水たまりの中の青空 〜第一部〜 (十四)
2020年10月01日
テーマ:テーマ無し
翌日からの三人の働きぶりは、目を見張るものがあった。
どうやら、昨夜の女給たちと、週一回の通いを一ヶ月間守れば、一晩を供にしてくれる約束を交わしたらしい。
彼らの給金からすれば、難なく実行できることだ。
しかし五平の「おねだりをされるぞ」との言葉に、発奮したのだ。
竹田は別にして、他の二人は街娼たちとの性交を既に経験している。
しかしさすがに、キャバレーの女給たちは比べるまでもなく洗練されている。
然も、銀座一の高級キャバレーである。
「お前たちの頑張り次第では、アメリカさん御用達のクラブに連れて行ってやっても、いいぞ。
そこらの映画スター顔負けの、美女揃いの店だ。
一般人は、立ち入り禁止のクラブだぞ」
と言う五平の言葉も、耳に残っているのだ。
そんな張り切りぶりは、当然のことに他の社員にも刺激になる。
「よおし! 俺たちも、連れて行って貰おうぜ」という合言葉で全員を奮い立たせた。
翌日、五平が武蔵の部屋に、昨夜の報告に行った。
幅四間に高さが二間という大きな窓を背にし、幅一間半で奥行きが半間の役員机が置かれている。
書庫やらサイドボードを置いてはと進言した五平に対し「飾り物は要らん」と一顧だにしない。
しかし、こと机やら椅子、そして応接セットについては「人が座るものだ、いい気持ちで居たいじゃないか」と、輸入物にこだわった。
「五平。従業員にも良い物を揃えてやってくれ。
娘たちは一日座りっぱなしなんだ、固いのはいかん。
但し、肘掛けはだめだからな。あれは動きを鈍らせる。
それと、休憩用の椅子はゆったりとできるのを用意してやってくれ。但し、昼寝用はだめだぞ」
日本橋に事務所を構えた折の、武蔵の言葉だった。
「五平よ、うまくいったようだな。竹田も、元気になったじゃないか」
「やっぱり、これを狙ってですか?」
「あゝ。もっとも、ここまでうまくいくとは、思わなかったが」
満足げに頷く武蔵に、五平は頭を下げざるを得なかった。
「この好景気が長く続くはずがない。緊張感が足りないんだよ、こいつらには」と、事あるごとに五平に不安を口にしていた。
神武景気に浮かれている社員に対する、武蔵の危機感は相当のものだった。
といって、叱り飛ばすだけではこれ程の効果は出ない。
飴と鞭を使い分ける武蔵の手法は、五平には真似が出来ないものだ。
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