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敏洋’s 昭和の恋物語り

歴史異聞 第一章 『 我が名は、ムサシなり!』 (十)巌流島の決闘 

2020年06月30日 外部ブログ記事
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 小谷新左衛門の言葉が、小次郎に朱美を思い起こさせた。
昨夜のことだ。
初めて朱美が小次郎のために涙した。
「あのムサシという男、鬼神とのうわさが。
いかな小次郎さまにてもかなわぬと、巷間ではささやかれておりまする」

 頬を伝う涙を拭こうともせずに、朱美はひたすら小次郎にすがった。
「ムサシという男、情け容赦のなき者とか。
試合った相手は、ことごとくにこの世を去られていると聞き及びました。
おねがいでございます、小次郎さま。
この試合、おやめください。
もしも小次郎さまがお敗れになられでもしたら…。
朱美の一生のおねがいでございます。
こたびだけは、どうぞ、朱美のねがいを、おききとどけくださいまし」

 ムサシとの試合は藩主細川忠興の知るところであり、小倉藩はもちろん隣藩でも大きな話題となっている。
今さら取りやめることなど到底出来ぬ相談だった。
「埒もないことを」
せめてもと、腰を落として朱美を抱き寄せた。

「身共が負けると申すか。
ムサシ如きに負けると? 笑止千万! 
朱美、血迷うたか。
この小次郎に勝てる者など、この日ノ本におるものか。
くく、案ずるな。そうじゃ。
此度の試合が終われば、大層なご加増があるとのこと。
朱美、なにが所望じゃ。
帰るまでに考えておけい!」

 庭に飛び出した小次郎、手にした長剣でもって、朱美の丹精込めた椿の枝を、秘剣燕返しで斬り落とした。
試合前日において、これほどに高ぶる小次郎を知らぬ朱美だった。
何やら危うさを感じて落ち着かぬ朱美だった。
当代随一と称される尾形光琳による、小次郎の秘剣燕返しの技を描いた襖絵の前で泣き崩れる朱美だった。

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