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敏洋’s 昭和の恋物語り

狂い人の世界 [第一章:少年A](七) 

2020年05月27日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



 そう、それは晴れた日でした。雲ひとつない快晴で、人間世界がよーく見渡せたものです。
いつものように遠メガネで――人間世界では、万華鏡とか言うておるようですな。
いちどきに複数ならぬ複複複数箇所を見回す必要のあるわたしにとっては、便利この上もないものでして。
200年ほど前に、スコットランドのディヴィッド・ブリュースターとか申す者が発明してくれたときには、いやもう小躍りしました。
いやいや、重畳重畳。
 
 さてさて、あちこち見回しているときのことでした。
 相変わらずに、人人人の波状態で、いつもの日常です。
左端の窓からは車の激しく行き交う中、せかせかと歩くスーツ姿の男女二人が、何やら言い合いながら歩いております。
中央上の窓では、三人の女性たちが身振り手振りを交えながら大きな声で話しています。
ちと気になりましたのでその声に耳を傾けてみると、どうにも会話として成り立っておりません。

芸能人のゴシップを口にする者に対して、なんともトンチンカンな返答です。
「あそこのスーパーのいわしは高いのよね、たしかに美味しくはあるけど」
するともう一人の小太りの女性が――いや、三人が三人とも小太りと言ってよろしいかも。
背の高さもほぼ同じで、4尺6寸といったところですかな。どうやら目線の高さが同じということが大切なようで。
一人背の高い女性がいると、上から目線といった風に感じてしまうようで、いつの間にか仲間はずれといった状態になるものなのです。

そうじゃった、もう一人の女性がこう言うのです。
「成城のレストランで出される鰯のマリネが好物らしいわよ」
まるでかみ合わなかった会話が、そんな風につながるのですから、実に主婦同士の会話というのものは面白い。
いつまで聞いていても飽きませんぞ。

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