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敏洋’s 昭和の恋物語り

歴史異聞 第一章 『 我が名は、ムサシなり!』 (六)ムサシ、誕生! 

2020年05月28日 外部ブログ記事
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 伊賀の国にて。
 まだ日は高いというのに、うっそうと茂る木々で辺りが薄暗くなっている。
獣道は低木の枝が折れていて足下の下草は短くなっている。
一歩踏み出すたびに、枯れ葉でガサガサと音が出る。いつ獣と遭遇するかもしれない。
小動物ならばごんすけも勝てる。しかし大型となると分からない。

 十五歳になって間もない時だ。
 村で、祭りの余興として相撲大会が行われた。
背丈が五尺のごんすけが出場し、六尺を超える大男との決勝戦となった。
「がんばれ、がんばれ」の声援を受けて果敢に飛び込んだが、あっという間に投げ飛ばされてしまった。近隣の村一番の男だと聞かされても、悔し涙を流すごんすけだった。

「勝てぬ相手とは戦わぬことが、負けないということだ。
君子危うきに近寄らず、ということだ」
 寺に長逗留していた武芸者の言葉を思い出した。

 突然に、ガサガサという音が左前方から聞こえた。
思わず身構えるごんすけの前に、瀕死の武芸者が現れた。
「それがし、宮本武蔵と申す。日の本一の武芸者になるべく修行を重ねて参り申した。
その仕上げにと、獣の王である熊を相手にし申したが、このような有様で……。
志半ばにては、残念無念なり!」

 そう言葉を遺して息絶えた。
武芸者は熊を相手にと言い残したけれども、太ももに付いた傷を見る限り、ごんすけには猪に遭遇したように思えた。
刀を抜く暇もなかったということからして、突如脇道から飛び出してきたと考えた。
となると、いつ何どきにごんすけに襲いかかってこないともかぎらない。

周囲に目配り気配りをしながら、
「あなたさまの衣類、刀、そして懐中物。
死に逝くあなたさまには無用のもの。
生き行くわたしが、いただきまする。
この後は、ムサシと名乗らせていただきまする。
南無…」 と、念仏を唱えながら剥ぎ取った。

羽織の背には「武芸者 宮本武蔵」と書かれていた。

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