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敏洋’s 昭和の恋物語り

歴史異聞  第一章 『 我が名は、ムサシなり!』 (一)「ムサシなり」 

2020年04月30日 外部ブログ記事
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最近、立ち読みして下さる方たちが増えています。
学校の休校が長引いているせいかと考えました。
童話と銘打ちながら、童話らしからぬ作品を上げてしまいました。
すみませんでした。
このまま通常に戻ろうかと思ったのですが、新しいお客さんが増えたようですし、在庫はないかと探してみました。
大人向けの作品はあったのですが、ティーン向けとはいえぬ作品ばかりでしたので、少し前に上げた作品を再度上げることにしました。
何度か書き直した作品で、一応は最終版としています。
興味を持たれた方は、再度読んでみて下さい。
苦心の跡をくんでいただけるものと思いますが。
−−−−−

 かすれ声が続けて出た。
大男を見上げる目には強い光が宿っていて、ぷっくりと膨らんだ鼻や一文字に結ばれた口から意志の強さが感じられた。
「はまべのれんちゅうにおいかけられるおはなをまもってやりたい」
 絞り出された声に大男がゆっくりと頷いた。

 街道筋の田畑の右手には、山々が連なっている。
たなびく雲の下、視線を下げると瓦葺き屋根の庄屋の家が見え、少し離れた場所に藁葺き屋根の小さな家が点在している。
「偉そうに大きな構えをしているのが庄屋の家か。どこも同じだな」
かすれ声が続けて出た。
大男を見上げる目には強い光が宿っていて、ぷっくりと膨らんだ鼻や一文字に結ばれた口から意志の強さが感じられた。

「はまべのれんちゅうにおいかけられるおはなをまもってやりたい」
 絞り出された声に大男がゆっくりと頷いた。

 街道筋の田畑の右手には、山々が連なっている。
たなびく雲の下、視線を下げると瓦葺き屋根の庄屋の家が見え、少し離れた場所に藁葺き屋根の小さな家が点在している。

「偉そうに大きな構えをしているのが庄屋の家か。どこも同じだな」
 突然に大男が走り出した。
大木の下に着くと、袴をたくし上げて大きく足を広げた。
後を追いかけてきた大将の耳に「ジュボボボ」と、大きく響く水音が聞こえた。
放尿していることに気づき「よくもそんなにでるもんだな」と感嘆の声を上げた。

「ここのところ、水ばっかりだったからな。
小童! 教えてやる代わりに食い物を持ってこい」
「こわっぱじゃねえ。げんただ、おれは」
「げんたと言うのか、そりゃ、悪かった。
それじゃ、げんた。人に教えを請うときにはお礼をするものだ。
だから食い物を持ってこい」

 用を足し終えた大男が振り向いた。
にやついていた大男の眼光が鋭く光り、げんたをにらみつけた。
げんたの足がガクガクと震え始め、見る見る目に涙があふれ出した。
すぐにも逃げ出したい思いが湧くが、離れた場所で事の成り行きを見守っている子どもたちの前で無様なことはできない。
何より、強くならなければならないのだ。

「くいもんなんかねえ! あったら、まずチビどもにくわせてる。
あいつらはまべのもんは、さかなをくってるからからだがでかい。
おれなんか、なっぱだからおおきくなれねえ。ちからも……」

 しぼり出すような声も涙とともに流れ出ていき、大男の前に崩れ落ちた。
「強くなりたいか、げんた。ならば、体を大きくしろ。
何でも良いから、腹一杯に食べることだ。
親が貧乏で食べ物がないだと? なければ、自分で作れ。
自分だけの畑を見つけろ。
川で魚を捕まえろ。山に入って食べられる物を探せ。
人に頼ってどうする」

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