メニュー

最新の記事

一覧を見る>>

テーマ

カレンダー

月別

敏洋’s 昭和の恋物語り

歴史異聞  第一章 『 我が名は、ムサシなり!』 (一)「ムサシなり」 

2020年04月28日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



最近、立ち読みして下さる方たちが増えています。
学校の休校が長引いているせいかと考えました。
童話と銘打ちながら、童話らしからぬ作品を上げてしまいました。
すみませんでした。
このまま通常に戻ろうかと思ったのですが、新しいお客さんが増えたようですし、在庫はないかと探してみました。
大人向けの作品はあったのですが、ティーン向けとはいえぬ作品ばかりでしたので、少し前に上げた作品を再度上げることにしました。
何度か書き直した作品で、一応は最終版としています。
興味を持たれた方は、再度読んでみて下さい。
苦心の跡をくんでいただけるものと思いますが。
−−−−−

 中山道にて。
「我が名は、ムサシなり!」
「わがなはむさしなり」
「日本一の、武芸者なり!」
「ひのもといちのぶげいしゃなり」

 野太い声に続いて甲高い声が響き渡る。
何ごとかと足を止める旅人の前に、身の丈六尺はあろうかという大男があらわれた。
赤茶色の髪の毛を乱雑に細めの荒縄でしばり、太い眉の端は上向いている。
大きな目の瞳は青く輝き、鷲鼻と相まって、ひと目で南蛮人とわかる顔立ちをしている。
いかり肩を揺すらせながら歩く様は、あきらかに街道を行き交う者やら田畑で農作業に勤しむ農民たちを威嚇していた。

 その後ろに連れ立つ子どもたちもまた、同じように肩をいからせて歩いている。
子どもたちに離れるようにと大仰な手振りを示す大人たちに対して、子どもたちは素知らぬ顔で腕を天に突き上げたりぐるぐると回したりとはしゃぎ続けた。

 街道を大股で歩く大男に後れをとるまいと走り続ける子どもたちだが、一里を超えた頃から一人そしてまた一人と遅れ始めた。
子どもたちの大将であるほっそりとして背の高い男(おの)子(こ)が、最後尾に回って「がんばれ、がんばれ」と声を掛け続けている。

 大男が疎ましさを感じて拳を振り上げながら子どもたちを追い払う。
時に大声を上げる大男に、子どもたちもその都度くもの子を散らすように逃げ出すが、大男が前を向いたとたんに、また後ろに行列をつくっていた。

「どうしてついてくる!」
 大男の怒声に恐れをなして、子供たちが一斉に大将の後ろに隠れた。
腰に手を当てた大将がゆっくりと大男に答えた。
「なんでそんなにでかいんだ」

 小さな目をかっと見開いて、おまえなんかこわくないぞとばかりに一歩前へでた。
ぐっと歯をくいしばり、あごを前に突きだして大男をにらみつける。
両手の拳はしっかりと握りしめられてはいるが、少し震えている。
体が前のめりになってはいるが、いつでも後ろに逃げられる態勢でもある。
右手が後ろにまわり、いつでも逃げられる態勢を取れと合図をしていた。

「つよくなりたい」

>>元の記事・続きはこちら(外部のサイトに移動します)





この記事はナビトモではコメントを受け付けておりません

PR





掲載されている画像

    もっと見る

上部へ