ひなたぼっこ

童話のきつねは優しい 

2020年01月28日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

私のところでは夏場によくきつねを見かける。

春先に空き地で3匹ぐらい子供が生まれ、親子で仲睦まじくしているところを見たことがある。無防備な子ぎつねたちがじゃれながら歩道に飛び出してきて、散歩している私を見てびっくりし、親のところによちよち小走りで戻っていく様子を見たこともある。

きつねは群れをつくらず、ひっそりと暮らす動物だと思う。木の実や小動物を餌とする以外は、なるべく周りに迷惑をかけずに平和に暮らす動物だと思う。森の動物たちは皆そうだと思うが。

自分から探したわけではないのだが、昔から私が読む童話には大体きつねが出てくる。そしてそのきつねたちはほとんどみんな優しい。

きつねといえば化かすというイメージがあり、印象としては良くないはずなのだが、なぜかあまりきつねが悪者の話に出くわさない。私が知っている悪いきつねはピノキオをだますファウルフェローぐらいだ。

「きつねのおきゃくさま」では、一人ぼっちのきつねが身寄りがなくてやせているひよことあひるとうさぎを家によびよせる。太らせて食べようという魂胆だ。

ところが一緒に住んでいるうちにだんだん情がわいてくる。そしてある日襲ってきたオオカミに悠然と立ち向かい、食べるつもりだったひよことあひるとうさぎを守るために闘うという話。

闘いの末、オオカミはついに逃げていき、傷だらけになりながらきつねはみんなを守り抜いた。・・「その晩にきつねは恥ずかしそうに笑って死んだ」というところにぐっと来る。
俺は本当はお前たちを食べようとしていた悪いやつなのに、がらにもないことをやっちまったぜ、ふふふ、、、なんて思って笑ったのかななどと思ったりする。何だかせつない。

「ごんぎつね」は、初めはいたずら者だったごんというひとりぼっちの子ぎつねがひとりぼっちの兵十という男にシンパシーを抱き、いたずらをした償いに栗やまつたけをそっと届ける話。

ある日ごんを見かけた兵十はまたいたずらをしに来たんだなと勘違いしてごんを撃ってしまうが、いつも自分に栗などをくれていたのがごんだったと悟る。「ごん、おまえだったのか、いつも栗をくれたのは。」ごんはぐったりしてうなづく。。これも何だかかわいそうなせつないお話だ。きつねのお話はたいてい優しさと同時にせつなさもセットになっている。

「きつねの窓」のお話もきれいだけどせつない。ききょうで染めた指で窓を作るともう今はいない懐かしい人、懐かしい風景を見られるなんて。
他にもいろいろなお話があるが「手ぶくろを買いに」の子ぎつねのかわいさは何とも筆舌に尽くしがたい。。

童話のきつねのお話は優しくせつなく愛にあふれているが、現実の世界では春に生まれて愛情をかけて育てた子を親は8月ごろに非情にも突き放して、子供がどんなに巣穴に戻ろうとしても頑として寄せ付けないという。

これも野生の世界で子供を独り立ちさせるための親としての究極の愛情、優しさなのかもしれない。現実のきつねの世界もやはり優しさとせつない愛にあふれているのかもしれない。


裏の畑に付いた足跡。何の動物かは分からない。

前にも載せたキタキツネ。真冬にきつねを見たのはこれ一度きり。小さな雪山にちょこんと座って私を見ていた。



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新見南吉さん

イズミンさん

栞さん、こんばんは。
そうなんですか!

新見南吉さんは動物のお話をたくさん書きましたよね。
「手ぶくろを買いに」もそうですよね。
機会があったら資料館にも行ってみたいです。

2020/01/28 16:53:24

まはろさん

イズミンさん

こんばんは。

たまに童話を読むと忘れていた子供の
ころの気持ちがよみがえりますね。

秋の夜にたまにキツネが「ケーン、ケーン」と鳴くことがあるんですけど、お母さんが恋しくて鳴いているのかなあなんて不憫に
思ったりします。。

2020/01/28 16:49:16

藤の花さん

イズミンさん

ごんぎつね、ご存じですか。

劇なんかでもやりますよね。

私もうるうるきますけど、
こういう人情ばなしには日本人は特に
弱いかも。。

2020/01/28 16:44:51

吾喰楽さん

イズミンさん

私のところでもそうです。
タヌキは見かけるけどキツネは見ませんね。。
個体数も考えられますし、
もしかしたら用心深いのかもしれませんね。

2020/01/28 16:41:27

童話作家

栞☆☆さん

キタキツネさん(さん付け(^^))としっかり目があってて凄い!
何か物語が出来そうですね♪

「ごんぎつね」の作者新美南吉は愛知県の半田市が生誕地なんですよ。
私は同じ市ではありませんが、
半田の資料館には孫を連れて何度も行きました。

2020/01/28 12:12:06

狐さん

まはろさん

イズミンさん

優しい童話有難う すっかり忘れていました
懐かしく何だか切なく目が潤んでくるのよ

写真の足跡と狐さんの顔可愛い
まだまだ野生の動物が出て来る良いわね・・
都会ばかりに住んでいる私には夢みたいな世界
とても憧れます
貴女の優しい心が伝わり暖かい気持ちになりましたわ

2020/01/28 10:59:19

ごんぎつね

藤の花さん

覚えています。
聞くとつい、うるうるなんですよ。

2020/01/28 10:22:31

たぬき

吾喰楽さん

おはようございます。

「赤いきつね」に「緑のたぬき」ではありません。

狐と狸は、古典落語でも、お馴染みの動物です。
時々、狸が、車に轢かれているのを見かけます。
狐を見たことはありません。
狐の方が利口かとも思いましたが、個体数の差が正解かも知れません。

2020/01/28 09:34:08

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