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敏洋’s 昭和の恋物語り

せからしか! (四) 

2019年11月12日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



 私が父にとっての疫病神だと知ったのは、いつだったのか。
そして誰からか告げられたことだったのか、正直のところ判然としない。
あるいは誰から言われたということではなく、勝手な私自身の思い込みに過ぎないのかもしれない。
ただ、あの自動車事故以来、父が私にべったりとなったことを記憶している。

 どこに行くにもー便所であろうと裏庭であろうと、そして外へと向かおうとするときなどは、抱え込むようにしてー一緒だった。
仕事関係者の来訪時ですら、私を傍らに置いてのことだった。
「跡継ぎはご次男さんですか」などと冗談にもつかぬことを口にされて「いやいや」と、笑っていたと叔父に聞いた。

 食事どきなどは、必ず父のあぐら座りの中にすっぽりと収まっての食事だったことを、これまたおぼろげに記憶している。
「鯛々ご飯だよ」と、ほぐしてくれた身と米飯をよくかき混ぜて口に入れてくれたものだ。

 夜は夜とて、父の布団の中で物語りを聞かせてくれた。
それは絵本やら読みものを読み聞かせるものではなく、父の創作だった気がする。
必ずと言っていいほど中近東の物語りで、アラビアンナイト風の内容だった。

 毎夜必ず盗賊とお姫さまの恋物語りだった。先妻を想ってのことかもしれない。
母には残酷なことだけれども、離縁をして十年が経つというのに、父の心の奥底には未だに先妻が居座り続けていたのかもしれない。

 それにしても、なぜにこれほどに私をかまい、跡継ぎである兄を遠ざけていたのか。
いやあるいは私の知らぬところで、兄を溺愛していたかもしれない。
兄が跡継ぎであることは周知のことであり、動かしようのない決定事だった。

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