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敏洋’s 昭和の恋物語り

えそらごと  (三十) 

2019年01月08日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



 時計の針は、二時半を指している。
貴子の希望で、南麓の岩戸公園口に下りることになった。
こちらの道は彼にも初めてだった。
こちら側の眼下にはビル群は少なく、二階建ての個人宅が多く見受けられた。
国道沿いに車のディーラーやら銀行、そして飲食店がチラホラとあるだけだった。
 
 少し行くと、小ぢんまりとした台地があった。
貴子の提案で、時間も早いし腹ごなしも兼ねて散歩でもと言うことになった。
彼に異はなく、真理子もまたすぐに賛成した。
外に出た貴子が大きく深呼吸すると、真理子も並んで、大きく空気を吸い込んだ。
とその時、強い風が吹き、二人の体が大きく揺らいだ。

 咄嗟に真理子の背を抱くようにし、片方の手で貴子の腕をしっかりと掴んだ。
悲鳴にも近い声を出した真理子だったが、強風に驚いた声だったのか、彼の対応に驚いての声だったのか、彼に分かるはずもなく真理子にもどちらだったのか判然としなかった。

 帰りの車中では、ラジオから流れるメロディーに合わせて、二人がハモっている。
貴子の一人舞台だった当初とは打って変わって、和やかな雰囲気が漂っている。
緊張感を持って運転していた彼の心も、凪状態の海のように穏やかだった。
心地よい疲れを感じつつ、彼は車のスピードを上げることなく走った。

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