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独りディナー
糸井さんに会った
2018年06月15日
テーマ:シニアライフ
先週の日曜日は、私達夫婦の40回目の結婚記念日であった。
主人の命日には、数日早いけれど、娘夫婦と息子夫婦にとっては、日曜日が集まりやすいだろうと思って15年前の銀婚式のお祝いをした同じ場所を予約した。
家族五人が一堂に会する機会は、もう無いかもしれない、とそんな気もしたので・・。
今回の上京は、会食だけを決めて、他には特に予定を入れてなかったのだけれど、その日のランチタイムには、自宅を改築したばかりの中学の友人宅に、LINE仲間が急遽集まることに・・。
彼らも、私達夫婦と同級生のお仲間なので、それは明るい追悼の場になった。
翌日は、ほぼ日が主催する「生活の楽しみ展」の最終日だったので、覗いてみることにした。
会場は、娘の家から近いので、一緒に行くことにした。
娘とは午後に約束したので、午前中はナビ仲間のReiさんのキルト展も観に行くことにしていた。
様々な作品が展示されていたけれど、私にはReiさんの色彩感覚と、余白とのバランスが秀逸だと思った。
余白が、殆ど準主役という印象で、日本画の世界と通じるのだろう等と勝手に想像した。
其処から、恵比寿へ行き、娘に教えて貰った三越デパート内のお蕎麦屋さんでまず一人ランチ。
「ほぼ日」の展示会場の入り口も通り過ぎたけれど、娘が来るまで待つことにした。
そもそも、「ほぼ日刊イトイ新聞」通称「ほぼ日」というwebサイトを教えてくれたのは、娘なのだ。
糸井重里さんって楽しいな、と思ったのは、娘が見せてくれた「魔女の宅急便」のビデオの最後に載っていたた、宮崎駿氏との対談だった。
魔女がまたがる箒が飛び立つときの絵の描写に関して、空気と箒のどちらの浮力が大きいか、といった風な、理系の人ではまず考えない様な話題を聞いた時だ。
私の周りは、殆どの男性が理系なので、それは実に新鮮だった。
名前は知っていたけれど、糸井さんの業績をしらなかった私は、娘が教えてくれた「ほぼ日刊イトイ新聞」にアクセスして、たちまちファンになった。
タイトルの、ゆるゆるさが、まず気に入ったし、しかもほぼと言いながら、20年間休むこと無く続いている。
それは私が、名古屋に越してきたばかりの頃で、娘としては退屈するであろう私に、色々なサイトを覗いたりブログを書いたりというおもちゃを、プレゼントしてくれたのだ。
幼い頃に両親が離婚されて、糸井さんが30歳を過ぎてから初めて会ったという、実のお母さんに、パソコンを送った「80代からのパソコン入門」というコンテンツは、夢中になって読んだなぁ。
それは後に、お母様ご自身からの発信となり「ミーちゃんの縁側」というタイトルとなって、随分長く続いた。
そうかと思えば、糸井さんの人脈で繋がったと思える、様々な著名人がインタビューなどで登場している。
「生活の楽しみ展」は、実際に見ると「新品を扱うのみの市」といった風情であった。
毎日読んでいるから、あちらこちらに立っている人達の殆どは、写真でお馴染みの顔ぶれである。
「あっ、糸井さんだ」と娘が言うので振り返ると、見慣れた顔の人と立ち話をしている様子が見えた。
沢山の小品は、新しく生活を始める頃なら欲しいものがたくさんあったけれど、断捨離世代としては残念ながら特に購入はせず、東京に住んでいた頃娘とよく行ったビアステーションへ入った。
娘が独身時代によく一緒に行った場所である。
久々に鰊の酢漬けとか、マッシュルームのフライをおつまみにビールを飲んだ。
丁度楽しみ展の会場が見下ろせる場所だったので、眺めていると、又糸井さんの姿が見えた
その場を引き上げて、再び会場に戻ってみると、丁度糸井さんが一人で歩いてらっしゃる処に遭遇した。
思わず私は「あっ、糸井さん」と話しかけていた。
「名古屋から来ました。」というと、
「おお、名古屋から・・」と仰って、糸井さんの方から握手してくれたのだった。
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