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思慮浅い母親 

2018年01月29日 ナビトモブログ記事
テーマ:カナダ

オタワに着いて、初めて近くのショッピングセンターへ行ったとき、「ミスター・ミニッツ」のお店が目に入った。

迷わず、スペアキイを二つ作った。

郊外に住んでいるので、ダウンタウンへ行くにも、それなりの時間を要する。

子供たちの帰宅時間を気にせずに外出する為には、それぞれにカギを持たせるのが、それまでの習慣だった。

それからは、オタワ大学へ行ったり、音楽仲間の人と出会ったり、毎日のように出歩いていた。

ピアノの練習は、日本に帰ってもできるし、と思いながら色々見て歩いた。

オタワ大学の界隈は中心地だったので、国会議事堂はじめ、大きな商業施設など、様々な見どころが揃っていた。


クリスマスを控えたある日、街一番のショッピングモール「リドーセンター」へ、一人でプレゼントを買いに行った。

まだ子供たちが、サンタクロースを信じている頃だったので、買い物には随分苦労した。

息子が、スーパーマリオ?だったか、日本でもまだ売り出されていないファミコンゲームが欲しいと、サンタさんに手紙を書いていたのだった。

広いモールを、歩き回って、やっとファミコンに似たゲームを見つけたけれど、8歳の子供には高価すぎるし、と思って公衆電話を探して主人と相談した。


まあ値段じゃないな、ということになり、買おうかと元のお店に戻ろうにも、余りの広さにまるで迷路にでも紛れ込んだようで、大変な苦労をした。

ヘンゼルとグレーテルのお話を思い出したりしながら・・。。


疲れはてたときに、見つけたのが「ニューヨーク・フライ」というイートインのお店だった。


大量のフライドポテトに、たっぷりとグレービーソースがついてくる。

ディップして、食べるらしい。


それから私はすっかりそのお味が気に入って、オタワ大学の帰りによく立ち寄ったのだが、一度子供たちに食べさせてみたいと思っていた。


オタワでは、何故か学校がお休み、という日がよくあって、そんな一日、寒い日だったが二人を連れてバスに乗った。


子供のことだから、グレービーソース付きのフライドポテトはよほど気に入ったらしく、そのあとも家で、グレービーソースまがいのものをよく所望された。


その時、近くにあるコンサートホールへ、私はチケットを買いに行きたかったのだが、余りに外が寒いので小さい子供達を連れて外に出るのはかわいそうだと思い、ちょっとしたロビーで待たせることにした。


その年が特に寒かったのかどうかは知らないが。

毎朝、ラジオで天気予報を聞くのを習慣にしていて、その頃は、最低気温マイナス11度、最高気温マイナス9度、といった日が続いていたのだ。


おもちゃ屋で見つけた、レゴのセットで遊びながら待っていてね、と言ったまではよかったのだけれど・・。


「もし、お母さんがずっと帰ってこなかったら、誰かに頼んでお父さんに電話してもらってね」という一言が、つい口から出てしまった。

9歳だった娘は、その一言で心底心配になったらしく、
、私が戻った時は泣きそうであった。

レゴに集中していた8歳の弟とは、こうもちがうのか、と思慮浅い母親はつくづく反省したのだった。


その時のことは、今でも申し訳なかったと思っている。



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彩さん

シシーマニアさん

コメントありがとうございます。

母親としての反省点なんて、数えきれないほどあって、此の思い出なんかは、ほんの一コマなんですけれど・・。

何故かよく思い出します。

一歳しか違わないのに、姉と弟では、こんなにも意識に差があるのだ、とかね。

2018/01/30 22:49:16

育児中の思い出

彩々さん

お互い70の大台に乗るというのに
子供の幼少時代は、こちらも幼い母親だった
のですよね。

あれは可哀そうなことをしたという自責の
念は、はっきり、くっきりと覚えているもん
ですよね。
私も、今でも申し訳なかったと思っている
ことがあります。
きっとこれから先、歳を重ねても鮮明に
思い出すのでしょう。

2018/01/30 13:41:43

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