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敏洋’s 昭和の恋物語り

ごめんね…… (一) 

2017年12月09日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



うだるような猛暑に襲われた今年の夏も、お盆の休みに入った途端に、その力を衰えさせ始めた。
日中の暑さは変わらぬものの、陽が落ちてからの気温は凌ぎ易くなってきた。
通りを吹き抜ける風にも、涼感が感じられる。

 G市の中心部にあるK公園の敷地内での祭りに彼女を誘った。
神社の境内と隣り合わせになった公園の中には、数え切れないほどの夜店が並んでいる。
その店々から、子供の中に混じって大人の歓声も聞こえてくる。
その中でも射的の店は、黒山のような人だかりだった。

「お父さん。あれだよ、あれだって。ウルトラマンだって! 
どこ、ねらってるの! おかしなんて、ぼく、いらないよ。
お父さんのへたくそ!」

「ばーか! お父さんは上手なの。
あんな大きい物なんか、当たっても落ちないのよ。
だから落ちそうな物を狙ってるんじゃないの。
ほんと、バカなんだから」

「バカバカって、言うな! おネエだって、頭良くないだろうが」
「ふん。あんたよりは、ましよ」
「ちょっと、二人とも。もう止めなさいって。
笑ってらっしゃるでしょ、みなさんが」

 母親が止めに入らなければ、いつまでも続いていただろう他愛もない口げんかだ。
私と連れの彼女は、顔を見合わせてくすりと笑った。
いや、私たちだけではない。取り囲んで見守る人たちもだ。

 しかし当の父親だけは、真剣な顔をして打ち続けている。
今まさに、男の子が欲しがるウルトラマン人形に向けて、何発も何発もだ。
「やったぞ! 悟、落としたぞ。どうだ、凄いだろ!」

 苦笑いの店主から受け取る際の子どもの笑顔は、大きく鼻を膨らませて得意満面だった。
「あなた、いくら使ったの。随分と使ったんじゃない? ひょっとして買ったほうが安いんじゃないの」

 半ば詰るような母親の言葉に
「まあな。しかし父親の威厳が、この程度で買えれば安いもんだ。
見ろよ、悟の喜ぶ顔を。店で買っても、こんなには喜ばないぞ」
と、喜色満面に答えていた。

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