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独りディナー
それぞれの夏
2017年08月03日
テーマ:思い出すままに
朝、窓を開けて、蝉の合唱が聞こえると。
毎日主人が「これは、朝しか鳴かない○○蝉だ。その後に鳴き出すのが、○○蝉・・」などと楽しそうに言って居た光景を思い出す。
いい加減に聞いていたので、覚えていないけれど、主人にとって、夏にはきっと、たくさん楽しい想い出があったのだろうと思ったりする。
それに引き替え、私の夏は、毎年追い込みの時期だった。
毎年、夏と冬には、東京から藝大教授がいらして、特訓レッスンをなさるからだ。
私は小学校三年から参加して、上京する前の中学二年まで、夏休みも冬休みも返上で、練習に明け暮れたから、余り楽しい想い出は残っていない。
主人の実家は、北海道神宮のすぐ側なので、自然豊かな札幌の中でも、少年にとっては、特別な昆虫の宝庫だったのに違いない。
親の与える環境が子供の興味にも大きく影響するから、息子も子供の頃、自らを「虫はかせ」と名付けて、札幌に帰省する度に、勇んでかけずり回っていたものだ。
どうやら、男の子にとっての憧れは、カブトムシらしい。
当時から既に、東京では郊外でも姿を消していて、周りの友達が飼っているカブトムシは大抵、スーパーとか夜店で買って来たものだった。
ママ友にきいてみると、色々悩んだ末に、「自分で飼うという経験」をさせる選択した、等と話していた。
我が家は、自然派だから、そんな家庭に育つ子供は、幼少期のコミュニティーの中で、きっと苦労しただろうと思う。
北海道には、生息しないので、主人自身が未経験ながら、それでも明け方に姿を現すというカブトムシを探しに、二人で暗い頃に起き出して、方々へ出かけて行った。
毎年帰省すると、愛知県の刈谷から戻った従兄弟達が、家の方ならベランダに飛んでくる位たくさん居るよ、と魅力的な話を聞かせる。
親同士で、一人旅ができる様になったら、遊びに行かせる約束をした。
中学に入った夏、いよいよ一人旅を実行させる事にした。
東京駅から、その頃出来たばかりの最速新幹線「のぞみ」に乗って、心細げに息子は旅立って行った。
数日後、出迎えに行った東京駅で。
真っ黒に日焼けして、ぎらぎらした空気を漂わせながら、息子は大きな箱を抱えて新幹線から降りてきて、言った。
「すぐ、買い物に行くよ」
よく聞いてみると、これから、東急ハンズに行って、どでかい虫かごを作る為の、材料を買いに行くのだそうだ。
今、抱えている箱の中には、30匹くらいのカブトムシが居るので、飼うための大きな虫籠を作らなくてはならない。
と、口から泡を飛ばす勢いで言う。
あれから、カブトムシの一世達はたくさん卵を産んで、翌年の夏には、たくさんの二世が誕生した。
更に、次の夏には、三世が誕生したけれど、籠の中という狭い社会で生まれ育ったカブトムシたちは、小さくてか弱そうだった。
息子の部屋に繋がったベランダで飼っていたけれど、夜になって静かなので留守かな、と部屋を覗いてみると、籠の前に座って中をじっと覗いている息子の姿があった。
カブトムシは夜行性だからなぁ。
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石さん
コメントありがとうございました。
息子は、自分と発想が違って、見ているのが面白かったです。
娘の方は、こちらは勝手に、一心同体だと思ってしまうのですが・・。
2017/08/03 22:13:08
とみちゃんくんさん
コメントありがとうございました。
私は、息子には付き合いの悪い母親で、男の子らしい遊びはもっぱら父親に任せっきりでした。
未知の世界を横で眺めているのは、楽しかったですけれど・・。
2017/08/03 22:09:56
おはようございます
私は娘三人なので男の子を育てた事はない。
話を聞いてると 可愛いいですね 男の子も
育ててみたかった (笑)
無い物ねだり なんでしょうね。
2017/08/03 10:28:03
夜行性
カブトムシ見つける(捕まえる)〜いい方法があります。夜中に外で白い布を張りライトアップするんです。勿論、蛾なども寄って来ますが、水中昆虫のタガメ、クワガタなど多くの虫達が集まって来ます。
昆虫採集が手っ取り早くできる手法です。
2017/08/03 10:23:29