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敏洋’s 昭和の恋物語り

[宮本武蔵異聞] 我が名は、ムサシなり!(十五) 

2017年06月24日 外部ブログ記事
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 小倉の地にて。
 佐々木小次郎の妻女然として振る舞う朱美だが、周囲の誰もが当然のこととして受け入れている。
実のところ小次郎の口からは一言もない。
朱美にしても、小次郎に対して恋い慕う素振りを見せてはいない。
育ての親であるお婆に小次郎の世話を命じられて、渋々といった観の朱美なのだ。

 平素の朱美は、次々と悪態を吐いてくる。
そんな朱美の辛辣な言葉は、一々小次郎の心底に突き刺さった。
「此度の御前試合では、燕返しをご披露なさるとか。あのような小物相手に大人げないことで…」
 また時には、小次郎の忌み嫌うムサシを口の端にのせた。
「あのムサシさまのように、諸国を巡っての武者修行でもなさればよろしいのに。
そうでござりますね、お着物が汚れてしまいまするか。
まあ、井の中の蛙…とならぬようにお気を付けなされ」

 鼻であしらう風を見せる小次郎に、再度朱美が悪態を吐いた。
「ほれごらんなされませ。京の名門と称されまする吉岡一門が、ムサシさまに倒されたようで。
小次郎さまが『殿の参勤交代の折に』などと悠長に構えられているからでございましょうて。
それとも…本当のところは、ご自信がなかったとか。ほほほ‥‥」
 これには、いつも聞き流すだけの小次郎も怒った。
初めて朱美に、手を上げた。

?たかが小娘に、どれ程のことがあろうか。
このわたしに心服せぬからと言って何ほどのことよ。
いやいや、それも一興。
みておれ、いつかはこの小次郎にひれ伏すことになろうというものよ?

 小次郎元服の前年、道場内における門弟同士の試合が行われた。
一度たりと負けたことのない相手と対した小次郎だったが、思いも寄らぬ不覚を取ってしまった。
「まだまだ!まだまだ!」
声を張り上げて臨む小次郎に対し、「それまで!」と師の声がかかった。

「慢心じゃ、小次郎! 毎日の鍛錬を怠ったが故のこと。幾度手合わせをしても、もう勝てぬ。未熟者めが!」
 師よりの厳しい叱責を聞き及んだ父親によって、ひと月の間、道場内に軟禁された。
朝昼の鍛錬の後も、一人小次郎だけが厳しい修練を課せられた。
太平の世に移りつつある昨今において、「勝てば良し!」とする剣技ではなく、美しく流れるような剣捌きが求められた。
剣術にも、美しさと物語り性が求められていた。

 小次郎の必死の修練は五年の間続き、遂には小次郎の剣捌きの速さに付いてこれる者は誰一人居なくなった。
その時、師をも凌駕する天才剣士佐々木小次郎が誕生した。

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