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私にとってのパリ、その二 

2017年03月04日 ナビトモブログ記事
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私にとってのパリの思い出は、最後の日に尽きる。

何泊したかは覚えていないが、でもルーブル美術館のモナリザを、一人で見に行った記憶はある。

私は、横に飾ってあった、ダ・ヴィンチの「ヨハネの首」に引き込まれた。

バックの色彩が青、というのも強く心に刻まれたし、ヨハネの笑っているかの様な表情も、不気味だった。

私の中では、オスカー・ワイルドの原作を、R・シュトラウスが作曲したオペラ「サロメ」が、バックにある。


描かれている作品は、銀盆に乗った「ヨハネの首」だけど、絵の前に立った観客は、物語の主役、サロメを見ているに違いない。


従姉妹の家にも行った。


最後の日の朝、母達の観光グループがイギリスへ向かって発った後、夜行列車に乗るまでの時間つぶしに、かなり苦慮した覚えがあある。

一日、全く予定なしの自由な時間。


とりあえずは、凱旋門に登ってみた。


バスに乗って駅まで戻った。

パリでは英語が通じない、という話だったけれど、若い男性に訊いてみたら、すんなりと教えてくれた。


駅で、夜行列車の切符を買うために並んでいると、親切そうな人が「国際列車は、地下の切符売り場だよ」と教えてくれた。


見るだけで、土地の物ではない、とわかったのだろう。


帰途は、ミュンヘンに留学中の親友の所へ行く予定だった。

地下に移動して、又並び直す。


一人旅の時は、大きな目的が無いので、そういった時間の無駄は全く苦にならない。

同じ道を何度も迷って歩くのも、後になってみると、1番の思い出になって残っていたりもする。


切符を買って、出発時刻が夜中の12時というのを確認して、さてこれから何処へ行こうか・・。


地図を片手に、小説の中で馴染みのある、場所を歩いてみた。


リュクサンプール公園のベンチに座って、近くの野球場で試合をしている様子を眺めて、時を過ごしたりもした。


土地勘は無いので、駅やオペラ座から余り離れないようにしながら、随分色々と歩き回った。

夕方になったので、貧乏学生にふさわしい、簡単なレストランで食事を済ませた。


さて、これからだ。

ヨーロッパの夜は、急に冷え込むので、夜中の12時まで街をぶらつく事はできない。


最後の日だから、手持ちのフランも残り少なかったのだろう。


その時に、ふとグッド・アイディアを思いついたのだ。

そうだ、例の「見えない席」に座って、時を過ごそう。


その夜は、知らないオペラが上演されていたが、余り記憶には残っていない。

でも、暖かいパリ国立オペラ座で、ぬくぬくと椅子に座って音楽を聴きながら、私の「ラストナイト・イン・パリ」は過ぎていったのだった。


追記
検索してみたら、ルーブルのヨハネ像は、銀盆に乗せられた作品では有りませんでした。

40年前の曖昧な記憶で、反省しています。



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一人歩き

シシーマニアさん

コメントありがとうございました。


歩く仲間が居ても居なくても、Reiさんが見た夜のエッフェル塔が如何に素晴らしかったか。

それが、「シャンパンアワー」という作品に繋がったのですものね。


私は一人歩きが好きですが、女性の場合、夜の一人歩きができないのは残念ですよね。

それと、ディナータイムのお一人様もねぇ・・。

2017/03/05 08:54:14

私の場合は

Reiさん

ツアーでしたので、駆け足であちこち周りました。
セーヌ川クルーズに行くのに、デモでバスが入れなくなったので、途中からバスを降りて、走ったのを思い出します。
その日見た夜のエッフェル塔が美しかったこと…

私は勇気がなくて、パリの街を一人で歩くことはできませんでしたが、いつかリベンジしたいと思っています。

2017/03/04 23:21:27

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