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敏洋’s 昭和の恋物語り

[舟のない港] (九十三) 

2016年08月02日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



 今、この娘を前にして、ミドリのことが改めて愛おしく思えてきた。
この娘に懐かしさを感じたのは、初めての出会いの頃のミドリに相通じるものがあったせいだと、男は思った。
 
――そうか…。今までの俺は独りよがりだった。
自分のことしか考えていなかった。
相手を思いやる気持ちがなかったかもしれない。あいつの為なんだと、思いこんでいただけかもしれない。
いや、それを押しつけていたのだ。
ミドリ、すまなかった。

そんな思いが、頭の中をかけめぐっていた。
 
――そうだ、初めて出会ったミドリは快活な女性だった。
ミドリとの生活を崩したのは誰でもない、この俺なんだ。
麗子でも、麗子の父親でもない。
俺を、卑劣な手段で陥れた同僚でもない。
まして、不景気のせいではない。
俺が、この世の終わりだ、と考えたからだ。

経済的ゆとりが崩れたが為に、ミドリをしてホステス業に追い込ませ、それをただ傍観していた。
そのことが、如何にミドリに重い負担を与えていたことか。
男は、生活という現実に目を背け、逃げ回っていた己の弱さに、今更ながら気が付いた。

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