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敏洋’s 昭和の恋物語り

[舟のない港] (四十三) 

2016年05月15日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



久しぶりの和やかな食事だった。
もう少しと引き留められたが、帰りの電車があるのでと十時の時報と共に、腰を上げた。

「私が送って行く! お姉ちゃんはお迎えに行ったからいいでしょ」
と妹が言い張り、男の腕をしっかりと掴んで離さない。
ミドリの恨めしげな目が二人に注がれた。

男としては今後も招待されるかもしれないという予感めいたものを感じてしっかりと挨拶をしたかった。
しかし強引な妹に引きずられるように、外に出た。

「私の名前、わかります? 三番目だから、みつこなんですよ。
安直だと思いませんか? まあ、嫌いではないんですけどね」

とりとめもなく話しかけてくるが、男に返事を期待しているようではない。
やはり三番目の子供のせいだろうか、少しわがままなところがある。
しかし、それはそれで楽しい娘だった。

バスの停留所についても、バスが来るまでおしゃべりは続いた。
そして、とうとうデートの約束をさせられてしまった。
バスが着いていよいよお別れという時に、
「ご心配なく。その時はお姉ちゃんも一緒にしますから。
私、実はもう恋人がいるんです。うふふふ」
と、言った。

「参ったなあ、美都子ちゃんには」
と、苦笑しつつ男はバスに乗り込んだ。

家族全員が感づいているように感じた。
―やはりミドリさんは、嘘が下手なようだ。
表情に出るのだろう。これからの行動は慎重にしなくては―
と思う男だった。           

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