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敏洋’s 昭和の恋物語り

[舟のない港] (四十) 

2016年04月26日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



ナイトクラブでのダンスとは、また違ったものだった。
夢見心地のフワフワとした、あの心地よさを求めたミドリだったが、今のこの部屋でのダンスは、また異質のものだ。
ともすれば、脱力感に襲われ崩れ落ちそうになる。
心が異次元世界に旅立つような錯覚を覚える。

「離さないで!」
思わず、ミドリは口走った。
崩れ落ちそうになる自分を支えて欲しい、そんな言葉だった。
しかし男には決定的な言葉だった。
ムラムラと湧き起こる感情を抑え続けていたものが、弾け飛んだ。

それにしても、わずか二度目の逢瀬だというのに…。
男は、ミドリの異性に対する心情が理解できなかった。
あまりにも無防備なミドリに、不安さえ感じる。
確かに、強引すぎる男のペースに引きずられたのだろう。
それは男自身が良くわかっていた。
兄道夫の友人だ、という安心感もあったのだろう。

結局、男は一線を越えることなく終えた。
どのような美辞麗句を並べようと、男の心の奥底に、ミドリの天真爛漫さに対する畏れが起きたのだ。
純真無垢なミドリに畏れを抱いたのだ。
ある意味、男のエゴかもしれない。

ミドリにしてみれば、驚きの連続だった。
確かに、あの夜の甘美さにまた浸りたいとは思った。
子供が恐る恐る大人の部屋に忍び込み、そこにある何かを覗いてみたい、何かに触れてみたい、そして浸ってみたい、という願望のようなものだった。
そして、忍び込んだ大人の世界はまったくの別世界で、ミドリの想像を超えた部屋だった。
男に誘(いざな)われた甘美な世界は、今のミドリには早すぎた。
  

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