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敏洋’s 昭和の恋物語り

[舟のない港] (四十一) 

2016年04月22日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



不思議に痛みを感じなかった。
男が手加減をしたわけでもない。
何も考えられないのだ。
己の身に起きたことではない、と思っていた。
もう一人の麗子が頬を打たれて、それを冷ややかに見つめる麗子がいた。
ふらふらと夢遊病者のように、麗子が立ち上がった。
「帰らなきゃ」

麗子の前には、バツの悪そうな表情の男がいる。
頬を手にした右手をじっと見つめる男がいる。
男は、黙って麗子を送り出した。
やり過ぎたかなと思いつつも、麗子の言葉は許せなかった。
ミドリとのことに、土足で踏み込まれたくなかった。
何か神聖なものに思えていたのだ、色恋を越えた何かに。

ドアの閉まる音がした。
男は、タバコに火を付け怒りの気持ちを鎮めようとした。
しかし、後味の悪さだけが残った。
麗子の靴音が遠のいて行く。
急に不安を感じた男は、慌てて麗子を追いかけた。
麗子の様子が尋常ではないと、感じたのだ。

麗子は、気丈に歩いていた。
男にはそう 見えた。
声を掛けることなく、黙って見守っていた。
大通りに出たところで、大通りに出たところで、通りかかったタクシーに乗り込む麗子を確認した。
そのまま帰る気にもならず、いつもの居酒屋に足を向けた。

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