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敏洋’s 昭和の恋物語り

[舟のない港](三十九) 

2016年04月20日 外部ブログ記事
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男の平手が飛んだ。
麗子は、信じられない、といった表情で男を見つめた。
何が起きたのか、そもそも麗子の頬が打たれたのか、その痛みすら信じられない。
今自分がどこに居るのかさえ、定かでない気がした。

わたし、どうしてここに居るの? 
見限ったはずの男の元に、どうして会いに来ているの?
この男が、エリートコースから転げ落ちたこの男が私の前にひざまずいて許しを乞うはずじゃなかったの?
会社内で男の噂を聞き、その真偽を確かめるべく来たのだ。

「そろそろ、彼、戻れるかもよ。取引先からの引きもあるようだし。
外部には、体調を崩してのこと、と言うことになっているしね。
実のところは、あの部長の機嫌を損ねたことからの、資料部行きでしょ。
『面子をつぶされった!』って、すごい剣幕だったしね。
確かめたら? 案外、彼の元にも内示ぐらいは届いているんじゃない」

人事課の友人からの情報が入ったこともあって、麗子の打算が働いた。
しかしそれらのことだけで来たのではない。
男を、麗子の元に引き戻したくなっていた。
もう一度、自分を抱かせれば 戻ってくる。
いや自分が男の前に立てば、泣いて復縁を迫ってくる筈だ、許しを乞うはずだ、と考えていた。

男と別れた後に、言い寄られていた二人との食事を繰り返した麗子だった。
「大学教授の父が‥‥」
「父と兄が医者で‥‥」
七光りの威光を振りかざすだけのつまらない男、そう麗子には感じられた。
何よりもプライドが高く、麗子の思いののままに動く男ではなかった。
「麗子さんなら、お茶の水大それとも上智大あたりでしょうね」

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