メニュー

最新の記事

一覧を見る>>

テーマ

カレンダー

月別

敏洋’s 昭和の恋物語り

[舟のない港] (三十八) 

2016年04月19日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



 放心状態の麗子だった。
どうして、どうして‥‥という言葉だけが、渦巻いている。

男にしてみれば、理解のできない麗子の行動だった。
麗子に対する未練はある。
愛情が全く消えた訳でもない。
しかしミドリの顔が浮かんだ時、男の気持ちの中で何かが弾けた。

 ミドリにすまないという気持ちが湧いた。
ミドリとの一線を越えたわけでもなく、約束を 交わしたわけでもない。
男としてのけじめ、としか言いようがない。
そんな思いが 自分にあるとは、男自身思いも寄らないことだった。

「そう、あの娘ね。あの娘のこと、好きなのね」
いつもの男なら、そのまま聞き流してしまう。
しかし、気色ばんで男は言った。

「な、何を言い出すんだ。あの人とは何でもない。
友人の妹だ。友人の都合が悪くなってのことだ。
三人での食事の約束だったんだ。
お互い時間が空いたから、二人だけの食事になっただけだ」

「あら、そう。お食事のできるナイトクラブがあるとは、知らなかったわ」
「時間が早かったからだ。
ナイトクラブを知らないと言うから、連れて行ったんだ。
第一、俺が誰と食事しようと、ナイトクラブに行こうと、君には関係ないじゃないか」

 男は、語気鋭く言った。
すらすらと嘘がつけた己に、男は驚いた。
嘘をつく必要はないのだ。
なぜ、弁解がましいことを麗子に言うのか、男にはわからなかった。

「ホントにそうかしら。下心があったんでしょう、貴方に。それで、その人に振られたわけ?」

>>元の記事・続きはこちら(外部のサイトに移動します)





この記事はナビトモではコメントを受け付けておりません

PR





掲載されている画像

    もっと見る

上部へ