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敏洋’s 昭和の恋物語り
[舟のない港](三十六)
2016年04月16日
テーマ:テーマ無し
まさかという気持ちを 抑えることができなかった。
五分十分と経つにつれ、麗子に不安だけが募った。
男が何時に帰るのかわからない。
麗子の心は、言い知れぬ恐怖感に襲われた。
といって帰る気にもなれず、途方に暮れた。そ
んな時の、男の帰宅だった。
八時を回って、やっと帰ってきた。
「遅いわよ。寄り道しないでって、頼んでいたでしょ! 暇な部署にいるくせに」
麗子の強いなじりに男はカッときたが、言い返す気にもなれなかった。
「どこかの誰かさんと、デートでもしていたのかしら?」
更に麗子は追い打ちをかけた。
「冗談じゃない、残業だよ。珍しく今日は忙しくてね」
ムラムラと、怒りの気持ちと嫉妬心が渦巻いた。
悪態をつきながら、男に先んじて玄関に入り込んだ。
脱ぎっぱなしのサンダルシューズは、麗子がプレゼントしたものだ。
シューズボックスにはくたびれた革靴が一足―いい加減捨てなさいよと麗子が顔をしかめたものがあった。
麗子からの初プレゼントだからと言い訳をされた靴ときの、胸がキュンと締め付けられたことが思い出された。
廊下の縁にうっすらと埃が見てとれ、ざっと掃除機をかける男の姿が浮かぶ。
ガラスのはめ込まれたドアを開けると、リビングの中央にあるソファの上に朝刊が無造作に広げられている。
「相変わらず新聞は読んでいるのね」
皮肉をこめた麗子の言葉に「習慣なんでね」と、肩をすぼめる男だった。
「それより、何の用だ」
吐き捨てるように言う男に対して、麗子は聞こえなかった風を装った。
キッチンは使われた形跡がなく、ビールの空き缶が放り込まれている。
「あらあら、ひどい部屋。彼女は掃除もしてくれないの」
だが男は鼻で笑っている。
即座に否定して欲しい、という麗子の思いは砕かれた
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