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敏洋’s 昭和の恋物語り

[舟のない港] (三十七) 

2016年04月17日 外部ブログ記事
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「知ってるのよ、私。ナイトクラブに行ったでしょう」
麗子は、勝ち誇ったように言う。
男は、無言のまま背広を脱いだ。
そしてタバコを一本取り出し、火を付けた。

突然、麗子は男からタバコを奪い取ると、男にしがみついた。 
男の脳裏に、ミドリの顔が不意に浮かんだ。
「やめろよ」
押し殺した声で、麗子を押し返した。

「どうしたの!」
麗子は、信じられないという表情を見せた。
「今さら、何の用だ!」
男は冷たく言い放った。
男の態度に、麗子は戸惑った。

確かに麗子が別れの言葉を告げた。
麗子が、男を見限ったのだ。
しかし、いや、だからこそ麗子がヨリを戻すと言えば、男がすぐにもなびいてくると考えていた。
麗子ほどの女を諦められる筈がない、と自負していた。

気難しい顔つきで、新聞を読みふけっている父親だった。
朝の挨拶に、特に厳しい父親だった。
高校時代だった。
夏休みに寝坊してしまい、父親の出勤後に起きてきた麗子は、その夜こっぴどく叱られた。
手をあげられることはなかったが、一週間の外出禁止を言い渡された。

部活動さえ、禁止された。
その為 、必死の思いで手に入れたバレーボールのレギュラーを失った。
それ以来、父親に逆らうことは一切止めた。
今、そんな父親を裏切っている。
意を決して訪れた男からの冷たく言い放たれた言葉は、麗子には信じられないことだ。

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