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敏洋’s 昭和の恋物語り

[舟のない港] (三十五) 

2016年04月15日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



恨みの思いが湧きはしたがはしたが、立場が入れ替わっていたとしたら、俺だって…、とも思える。
それ以上のことは考えないようにした。
ただ、会社内での競争に空恐ろしさを感じるだけだった。
第一そのことで、上司からの言葉は何もない。
他の同僚からも、連絡はない。
「出世レースから、二人脱落しただけのことか」
男の口からもれた。

それにしても、麗子のあの手紙はどういうことだ。
ヨリを戻そうということでもあるまいし。
男はそんな雑念を振り払うと、資料集めに没頭した。
退社時間間際になっても資料の一部が見つからず、担当部署からの応援を受けることになった。

結局、他の部署に回っていることがわかり、「しっかり把握していてくれ」と、叱責されるはめになった。
返却を怠った部署が悪いのだが、相手が営業部とあっては男に非難の目が向けられざるをえなかった。
男は、重苦しい気持ちを引きずったまま家路に着いた。

男のアパート前に佇む麗子が居た。
時刻は、すでに七時半を回っている。
眉間にしわを寄せる麗子がいた。
男の知る、麗子がそこに居た。

手紙は読んだはずだ。
ならば、小躍りして 待っている筈だ、と信じて疑わない麗子だ。
会社から直帰すれば、六時半には着いている。
遅くとも七時だと思う麗子だった。
あたしを待たせるなんてという思いが、麗子の中で渦巻いている。
資料室行きになった男如きがこのわたしを待たせるなんて、と怒り心頭の思いだった。

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