メニュー

最新の記事

一覧を見る>>

テーマ

カレンダー

月別

敏洋’s 昭和の恋物語り

にあんちゃん 〜警察署の一室においてのことだ〜 (一) 

2015年12月25日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



 警察署の一室においてのことだ。

「あなたよ、あなたのせいよ! あなたの性格を受け継いでしまったのよ、ツグオは」

 道子の怒声が廊下にまで響き渡り、せわしげに行き交う職員たちの足を止めさせた。
何ごとかと部屋を飛び出す者までいて、事の次第が分かるまで騒然となった。

 苦笑いをしつつ部屋を出てきた老刑事の「痴話喧嘩ですよ、単なる」という説明に、やっとそれぞれに平静が戻った。

「あなたの偏執な愛情が、ツグオにもあるのよ。
鈴木ほのかさんという初恋の女性(ひと)が忘れられなくて、娘にほのかなんて名前を付けたんでしょ! 
三十年よ、三十年。
想い続けているんでしょ!」

 道子のそんな悲痛な叫びも、孝男にはまるで理解できない。
道子の射るような視線の中に激しい憎悪の炎が燃えているのだが、孝男にはまるで見えていない。

ワッと泣き崩れる道子に対し、どんな言葉をかければ良いのか、またどんな態度を取れば良いのか、孝男は立ちすくんだままだった。
警察官たちの視線が、孝男に鋭く突き刺さってくる。

?なんなんだ、これは。なんでこの私が非難されなきゃならんのだ。
不始末をしでかしたのは息子だろうが。子どもの躾は、母親の仕事だろうに?

 長椅子に突っ伏して泣いている道子がうとましく思えてきた。
女の涙に男は弱いというのが通説だが、こと孝男に関してはまるで当てはまらない。

>>元の記事・続きはこちら(外部のサイトに移動します)





この記事はナビトモではコメントを受け付けておりません

PR





掲載されている画像

    もっと見る

上部へ