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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空〜(十九)早く上がって、あ・な・た 

2015年12月18日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



早苗は不思議そうな顔で、彼を見下ろした。
段差があるとは言え、早苗に見下ろされるとは、思いも寄らぬ彼だった。
“子供だ”と馬鹿にしてきた彼だったが、いつの間にか早苗の身長は伸びていることに驚いた。

振り袖姿の早苗は、中学二年生には見えない。
目を丸くする彼に向かって、
「どう? 素敵でしょ!ふふふ…惚れ直したかな?」
と、くるりと回って見せた。

「あゝ、見間違えたよ。馬子にも衣装だな、まったく」
「いいのよ、照れなくても。くく…」
彼の憎まれ口に怯むことなく、早苗は彼の手を取った。

「早く上がって、あ・な・た」
勝手の違う早苗に戸惑いながら、彼は早苗に従った。
ふっくらとして暖かい早苗の手に引かれ、居間へと入った。

彼を上座に座らせた早苗は、三つ指を付いて新年の挨拶に入った。
「あけまして、おめでとうございます。本年も、よろしくお願いします」

結い上げられた髪で、普段隠れているおでこが顕わになっている。
彼には、眩しいものに見えた。
額を畳に擦り付けてのお辞儀で、早苗のうなじが彼の目にとまる。

ほのかに漂う色香に、彼はドギマギとさせられた。
“今日の早苗は、いやに艶っぽい”

「うん、まあ、なんだ…とにかく、おめでとう」
「くくく、おばさんの言う通りだあ。お兄ちゃん、ドキドキしてる」
「そ、そんなことは、ない! びっくり、しただけさ」
「いいの、いいの。くく」
そう言い残すと、早苗は台所に向かった。

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