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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空〜(十九)早苗が満面に笑みを浮かべて 

2015年12月17日 外部ブログ記事
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彼が実家に辿り着いた時には、太陽はすでに正天にあった。
玄関の戸に手を掛けつつも、すんなりと入るのが躊躇われた。

“大丈夫さ、何もなかったんだから。お母さんは、一々詮索することはしない。
よしんば問い詰められても、ラブホで眠っただけなんだら。
仕方ないじゃないか、あの大雪では。帰るに、帰れなかったんだから。
それに第一、真理子さんと一緒だったなんて、知らないことだ。
タクシーを呼んで、別々に帰って来たんだし。
大丈夫さ、バレはしない”

そう自分に言い聞かせてはみるものの、中々に戸を開けることが出来なかった。
そば耳を立てて伺ってみるが、物音一つしない。
不気味な程、静まり返っている。
庭の方に回ってみたが、台所も静まり返っている。
“出かけたのかな?”
そう思うと、気が楽になった。

「ただいまあ!」
応える主の居ない中に向かって、大声を上げた。
「はあ〜い!」
早苗の明るい声が、返ってきた。バタバタと二階から、下りてくる音がする。
「お帰んなさ〜い!」
まるでこの家の主であるが如くに、ごく自然な風に感じられる。
玄関先で立ちすくむ彼に対し、早苗が満面に笑みを浮かべて現れた。

「な、なにをしてるんだ!」
気色ばんで、彼は早苗に怒鳴った。キョトンとした顔付きで、早苗は
「何って…お留守番よ。おばさんに頼まれて」と、答えた。
「頼まれたって、お母さんは、どこに行ったんだよ!」
「どこって…。聞いてないの、お兄ちゃん? お客様が見えるから、そのお迎えにだよ」

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