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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空〜(十九)お部屋のおそうじをしてね 

2015年11月18日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



うどんだけでは物足りなさを感じた彼は、小夜子の用意した餅を、砂糖のたっぷり入った醤油で三個ほど平らげた。
「うわあ、見るからに甘そう…」
呆れ顔で見る早苗に、
「良いんだよ、好きなんだから」
と、横を向く彼だった。

早苗は、そんな彼を後ろから覗き込むようにして
「お兄ちゃんこそね、太るよ」
と、悪態をついた。
「あゝ、もう 少しは静かに出来ないのか! さっきから、肘が当たったとか汁が飛んできたとか。うるさいぞ! 」
業を煮やした彼は、とうとう声を荒げた。

しかし早苗は、ケロリとした顔で
「わいわい食べた方が、美味しいでしょ!」
と、言い返した。

「お前、なあ…。まあ、いいさ。子供相手にムキになることもないか」
「早苗、もう子供じゃないもん! ちゃんと生理もあるし」
そこまで言うと、早苗は顔を真っ赤にした。呆気にとられる彼に、
「馬鹿っ、お兄ちゃんの馬鹿っ!」
と叫び、茂作の部屋に飛び込んだ。

「タケくん、言いすぎよ、少し」
「ごめんなさい、つい」
「まあ、いいわ。あとでお母さんがあやまっておくから。
さっ、お部屋のおそうじをしてね。お母さんがするの、イヤでしょうから。」
「はい、そうします」

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