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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空〜(十九)目まぐるしかった一年の終わりを 

2015年11月12日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



テーブルの上に買い物袋を乗せながら、
「あらあら。またなのねえ」
と、転がっている野菜に目を落とした。

「相変わらずなんですね。泥棒が入った、なんて言い訳を聞かされました。でも、物置きで見つけた時は、驚きました」
「ご飯を食べさせてくれない、って言ったんでしょ? 来る人みんなに言ってるの。参っちゃうわ、ホントに」

「もう少しですよ、お母さん。
もう少ししたら、お母さんを頼りにしますから。
誰が自分のことを親身になって世話してくれるか、判別できるようになりますから。
もう少しですよ」
なんの慰めにもならないと思いつつも、そう答える他はなかった。

翌日、彼が目覚めた時、既に昼近くになっていた。
階下からの快活な声に、起こされた。時折、素っ頓狂な声を上げるのは、早苗に違いない。
“この声を聞かないと、帰った気がしなくなったな”

大きく背伸びをした彼は、勢いよくカーテンを開けた。
真っ青な空に、白い雲がゆっくりと流れている。
遠くに見える山々に、白い綿帽子が被っている。

まばらな家々の屋根には、約束事のように布団が干されている。
軒先に吊り下げられているのは、干し柿のようだ。

“今日で、今年も終わるんだ”
目まぐるしかった一年の終わりを、母親の元で迎えられる。
彼の心に、安堵感が広がった。

“由香里ちゃんには悪いが、やっぱり、故郷はいい”
彼は、昨日の朝を思い返した。

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