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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空〜(十七)湿めっぽくなりましたな 

2015年10月16日 外部ブログ記事
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一家団欒の食事後、由香里と母親が風呂に入った。
「由香里一人で入らせると、カラスの行水なんですよ」
と、言い訳をしつつも、嬉しそうな母親だった。

「中三にもなるというのに、困ったものです。由香里は実に甘えん坊でしてな、お恥ずかしい限りです」
そう言いつつも、嬉しそうに二人を見やる父親だった。
「親子の仲が良くて、結構ですね」
と、彼は相槌を打った。

掌中の珠として育てられている由香里なのだ、接し方を誤ればどんなしっぺ返しがくるかもしれない。
言葉一つにさえ気を遣う彼だった。

台所の土間には、昔懐かしいかまどがある。
薪を燃やして作られるご飯は、さぞ美味しいことだろうと思われるが、さすがに使われてはいなかった。
かまどの隣が流し台で、ステンレス製が設置されている。
その上に窓があり、磨りガラスが嵌められている。
風呂場が隣接していて、二人の声が聞こえてくる。

「小学生の低学年までは、あの窓を開けて声をかけてくれたんですが、今はねえ、鍵がかけられている始末です」
声が、少し沈んだトーンに変わった。
心底から出た言葉に、彼にも感じられた。
豪傑だと感じていた彼には、意外なことだった。

「湿めっぽくなりましたな、こりゃ。わたしには似合わないことでした。
実はですな、流し台を替えるついでに、かまどを壊そうかとも思ったんですがね。
家内がどうしても残してくれと言うもので、そのままにしました。
不釣合いですが、一度使ってみたいようです。
まっ、私も食してみたいと思うんですがね」

「それは良いですね、僕もご相伴に預かりたいものです」
「それじゃあ、滞在中に一度やってみますか。
なあに、薪はお千代さんに分けて貰えばすむんだから」

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