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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空〜(十七)少し重荷に感じてしまう 

2015年10月17日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



そんな会話を交わしている二人の耳に、親娘の声が飛び込んで来た。
「お母さん! そっとかけてよお、熱いい。やけどしちゃうよ、もう」

「あら、ごめんなさい。そんなにあつかったかしら? お母さんにはぬるいのにねえ。
ほらほら、もっとしっかり洗いなさいって。汚れが落ちませんよ、それでは。
先生に髪がくさいって、嫌われますよ」
「ちゃんと洗うわよ、もう!」

口を尖らせて抗議の意志を示す由香里の顔が、彼にも見えるようだった。
父親の苦笑いする顔が、困ったものですと告げていた。

「お母さん。由香里の胸、少し大きくなったかなあ? 
お母さんのおっぱいみたいに、大きくなるかしら? 
男の人って、みんな大きい方が好きなんだよね。先生も、やっぱりそうだよねえ。
このあいだのデートのときにね、麻由美にばったり会ってね‥‥」

「なりますよ、きっと。でも、牛乳をもっとたくさん飲まなくちゃね。
さあ、お母さんと交代よ。肩までしっかり浸かってね、ここは冷えますから」
由香里の言葉を遮って、湯船に浸かるように告げた。
ざあーっという音が二度ほど響き、
「やっぱり、あついよ。お母さん、よく入っていられるね」
と、由香里の不満の声が響いた。

昼間の事を喋りはしないか、と彼は冷や汗物だった。
父親は、ニコニコとそんな会話に聞き入っている。
「いつもああなんですよ、先生。先生がとか先生にと言うと、実に聞き分けが良いんです。ハハハ」
「はあ、そうなんですか」
快活に笑う父親に対し、言葉を濁すしかない彼だった。
嬉しい反面、買い被られ過ぎだと感じてしまう。
信頼の裏側には、失望がある。
そのことを考えると、少し重荷に感じてしまう彼だった。

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