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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空〜(十七)未だ若い彼の理性が吹き飛んだ 

2015年10月13日 外部ブログ記事
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しかし彼には、十分すぎるほどの衝撃的な行為だった。
未だ若い彼の理性が吹き飛んだ。弾けとんだ。
「せんせっ、せんせっ、スキなの‥‥」
由香里の口から、吐息交じりの声が漏れる。
由香里にしてみれば、キス体験のつもりだった。
しかし今、彼はそれ以上の領域に入り込もうとしている。
由香里の心に、恐怖感に近いものが渦巻いた。

「お母さん、そろそろ夕食の支度に入ったらどうだ。
今夜は、ここで風呂に入るとにしょう。
温泉には、明日の昼にでも行こうじゃないか」
父親の声が、彼の耳に届いた。我に返った彼は、慌てて由香里から離れた。
「ごめんよ」

由香里の耳元で小さく囁いた彼は、由香里の乱れた服を直した。
体を本棚の方に移すと、冷めてしまった紅茶を口に含んだ。
由香里は茫然自失の状態で、寝転がったままだった。
父親の声がしなければ彼の行為がどこまで進んだのか、由香里の心に安堵の思いと悔恨の思いが錯綜した。

“何てことを‥‥”
由香里の行為に誘発されたとはいえ、あれ程に戒めてきたことを、と後悔の念で一杯になった。
父親の声がしなければ、どこまで突き進んでしまったことか。
彼は安堵の気持ちを抱いた。

「由香里ちゃん、入るわよ」
母親の声に弾かれるように、由香里は起き上がった。
彼は慌てて、本棚から本を取り出した。
ページを開けてはみたものの、何も目に入らない。
とに角、視線を落とした。

「由香里ちゃん、ちょっとお手伝いしてくれる? お夕飯の用意しますから」
「はーい」
何事もなかったように、由香里は立ち上がった。
「先生、ここで待っててね」
由香里の明るい声が、彼には救いだった。
視線を上げることなく、彼は手を上げて応えた。

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