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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空〜(十七)ピンク色の紅茶カップ 

2015年10月09日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



自宅の部屋とは打って変わって、キャラクター商品が所狭しと飾られている。
土間側の窓には、アイドルグループのポスターとそのカレンダーが貼り付けてある。
その反対側にも窓があり、この家には不似合いなアルミのサッシだ。
女の子らしく、レースとピンク系のカーテンが取り付けられている。

その窓の下にコタツが置いてあり、片側を寄せている。
四畳程度の部屋では、中央に置くわけにもいかない。
もっとも、由香里一人だけである。
片側だけで、十分ではあった。

土間側の窓の下には色々のぬいぐるみが置いてあり、赤ちゃんほどの大きさのペンギンがお気に入りらしい。
壁際に設置してある本棚には、レディスコミック群が一杯になっている。
申し訳程度に百科事典が収まっているが、飾りのようなものらしい。
ドアの横にも棚があり、そこにはカップ類が置いてある。
紅茶が好きな由香里の為に、電気ポットも置いてあった。

「先生、コタツに入ってて。いま、紅茶を用意するから」
本棚を背にしてコタツに入ると、
「だめだめ! ここの、広いほうに入ってて。
いいよ、寝転がっても。疲れたでしょ、先生も。
お母さんって、人使いが荒いから」
と、移動させた。

「いいよ、ここで。本棚に寄りかかってれば、楽だから」
と言う彼だったが、泣きそうな表情を見せる由香里に負けてしまった。
「はい、どうぞ」
可愛らしいピンク色の紅茶カップが差し出された。

「お砂糖なしでも、おいしいよ。ねっ、香りが良いでしょ
。英国直輸入物ですって。お歳暮で、届いたの」
案の定、由香里は彼の隣に滑り込んできた。二人並んで座るには狭すぎる。
「由香里ちゃん。狭いよ、これじゃ」
「いいの。由香里は、ここがいいの」

両親が顔を覗かせないかと気が気でない彼に対し、由香里はまるで気にしていない。
その天真爛漫さに、彼は苦笑いをするだけだった。

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