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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空〜(十七)ジョンという犬 

2015年09月25日 外部ブログ記事
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早速彼は、母親にその旨手紙にしたためた。

「泣き言を言われるだろうなあ。お爺さまのこともあるし、お母さんも大変だろうし。
けど、僕の一生に関わることなんだ。佐山さんにお願いすることになるかもしれないんだし」

気が重い彼だった。
アパートを出て、少し歩いたところの角にあるタバコ屋に設置されている赤いポストまで歩いて五分ほどなのだが、長い時間に感じた。

隣の民家の玄関先では、ジョンという犬が犬小屋の中に隠れている。
家人が傍にいるときはワンワンと吠えまくるが、留守にしていたり家の中から物音がしない折りにはシュンとしている情けない犬なのだ。

しかし今日に限っては、その犬に味わったことのない親近感を覚えた。
犬小屋の前に座り込むと「ジョン、ジョン」と呼びかけた。

びくりと体を震わせて小屋の奥へ引っ込みかけたが、彼の優しい声色に安心したのか、おずおずと小屋の中から出てきた。
しっぽを丸めて恐怖心を隠そうともしないジョンに、「元気か、今日は一人なんだな」と、頭を撫でる仕草をした。

「ジョン。散歩に行こうか」
突然に玄関の引き戸が開き、家人が現れた。
途端に「ワンワン」と激しく吠え、丸まっていたしっぽもピンと大きく立った。

危うく後ろに倒れそうになった彼を、家人が支えた。
「ごめんなさいね、驚かせたようね。あなた…アパートの方ね? ジョン! 静かになさい」

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