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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空〜(十六)女将の声が母の声に聞こえた 

2015年09月16日 外部ブログ記事
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凄まじいまでの実社会を、垣間見たような気がした。
男女平等が叫ばれてはいるが、ビジネス社会においては完全な男社会なのだ、と思い知らされた。
『男にとって、男のエゴが生命の源だ!』
父親である武蔵の口癖だった言葉が、思い出された。
凄まじいまでのビジネス競争を、勝ち抜いてきた武蔵だ。
そのストレスたるや、彼の想像の域を越えている。
彼は己の甘さを、痛感させられた。

「おいっ、アキラ! あんたは、いい男だねえ。
こんなに気持ち良く酔えたの、久しぶりだわ。
わたし、ここで泊まっていくから。
あんたは、好きにしな。それとも、一緒に寝るかい? 
あゝ、だめだ。今夜は、勘弁して。今度、ね。もう、寝るわ」

ふらつきながらも、何とか一人で布団にもぐり込んだ蛍子だった。
一人取り残されて、暫く呆然としてしまった。
このまま布団に潜り込んでやろうか、そう考えないでもなかったが、朝になって「あんた誰よ!」と詰られることも考えられる。
女将がまさかの折には証人になってくれるだろうと考えはしたが、とりあえず女将に声をかけた。

「あらあら、寝ちゃったの? ペースが早いから、どうかな? とは思ってたけど。ごめんなさいねえ、お兄さん」
「いえ、勉強になりました。」
「ちょっと聞いていいかしら? お兄さん、ほんとにこの子の会社の人?」
「いえ。実は、今夜が初対面なんです。ひょんなことからお供することになっちゃって」
「やっぱりねえ。
後輩といえども、同じ会社の人にこんな姿を見せるなんて、考えられなかったから。
この子は、絶対に崩れないって思ってたけれどねえ」

「ははは。ぼくって、人畜無害ですから。」
「何だったら、貴方もお泊りする? すぐに用意するけど」
女将の声に「いえ。ぼくは大丈夫ですから、このまま帰ります」と、即座に答えた。
「そうね、それがいいわね」
そんな言葉が、彼には女将の声が母の声に聞こえた。

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