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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空〜(十六)もう一つの仕事部屋なのよ 

2015年09月15日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



「あなた、年上の女性と付き合ってるでしょ? それとも、付き合ってたでしょ?」
話題が突然飛び、蛍子の目が妖艶に光った。
「は、はい。でも、どうして分かったんですか?」
「で、一人っ子ね。何ていうか、せかせかしてないのよね」

「あのお、一つ聞いて良いですか? この店の名前、七両三歩ですよね。なにか、意味があるんですか?」
恐る恐る、彼は聞いた。
「ふふ…。あなたも、やっぱり気になるのね。
人に聞いた話だと、江戸時代における浮気の免罪料みたいなものだって。
不義密通は御法度の時代でしょ? 勿論、現代だってそうなんだけどさ。
でね、女将さんに聞いてみたの。そしたら『おけいちゃんの好きなように解釈しなさい』ですって」

ほんのり桜色に染まり始めた肌が、彼の目にグイグイと迫ってくる。
悪戯っぽい笑みは、いかにも少女のように見えもした。
足をくずして
「あなたもくずしなさい、夜は長いんだから。それとも‥‥」
と、螢子が上目遣いで言った。
螢子の視線に耐えられなくなった彼は、思わず視線を落とした。
「どうして、僕に声を掛けられたんですか。見も知らぬ男なのに」

「ごめんね。正直言うと、誰でも良かったの。たまたま、貴方が居たってこと。
怒った? 女将、言ってたでしょ? 
やり手だって。そう、体を張ってるのよ。
軽蔑するかもしれないけれど、体を使って情報を仕入れるの。損失の穴埋めにも、ね。
勿論、邪道よ。建前では、会社でも禁止されてるわ。
でも上の方は知ってるわ、黙認なの。
だから凄くストレスが溜まるのよね。いつもはスポーツで発散するんだけど、今夜は特別」
と、一方の襖を開けた。

四畳半の部屋で、中央に布団が敷いてある。
「だからこの部屋は、もう一つの仕事部屋なのよ。ふふ‥‥」

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