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敏洋’s 昭和の恋物語り
長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空〜(十六) bar−止まり木
2015年08月11日
テーマ:テーマ無し
ふと気付くと、遠巻きに人だかりが出来ていた。
好奇の目を向ける者や、蔑みの目を向ける人で、一杯になっていた。
「赤の他人です。まったく知らない人なんです」
と、彼は逃げるようにその場を離れた。
特段に観たい映画があるわけでもない彼は、酔っ払いの指示に従いやけ酒に浸ることにした。
牧子に連れられたバーに行こうかとも考えたが、より辛くなるだけだと止めにした。
立ち並ぶビルの中に、「bar−止まり木」と言う看板を見つけた。
その名前に惹かれて、ドアを押した。
そこはカウンターだけの細長い店で、七、八人も座れば満席になってしまいそうな、小さなバーだった。
正面の壁に飾ってある般若の面に、まず度肝を抜かれた。
射すくめるよな強い光を放ち、四本の牙が大きく開かれた口から覗いている。
そして何より頭側部の二本の角が、彼に恐怖感を抱かせる。
ゼミにおいて「余談ですがね」と語り始めた教授の言葉が思い出された。
「文金高島田の角隠しのことです。
あれはね、江戸時代後期〜明治初期にかけて広まった風習だと言われています。
女性は嫉妬に狂うと鬼になると言われていましてね、鬼になることを防ぐための一種のおまじないなんです。
怒りを象徴する角を隠すことで従順でしとやかな妻になりますよ、と旦那様に隷属することへの象徴でもあるのですよ」
一人の女子学生から「封建主義の最たるものでなんですね」と抗議の声が上がりはしたものの「でも、憧れるわよね」との複数の声も上がり、男子学生の「やっぱり、良き妻良き母だな」という言葉でもって終わりとなった。
「いらっしゃいませ。初めてですね、お客さん。ありがとうございます」
マスターの声に奥に居る三人の客がチラリと彼を見遣ったが、すぐにまた話に興じ始めた。
「どうも」
軽く頭を下げながら、おずおずと棚に目をやった。
横文字だらけの瓶が並び、プレートらしき物がぶら下がっている。
常連客の多さを、如実に現している。
場違いな店に感じる彼に対し、バーテンはにこやかに話しかけてきた。
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