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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空〜(十五)獲物を見つけた鷹さながらに 

2015年07月19日 外部ブログ記事
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「どうして。どうして、麗子さんは僕を‥‥」
麗子の真意を掴みきれない彼は、意を決して訴えた。

「僕を、僕を一体どうしたいんですか? 
その答えを、僕は麗子さんから聞かせて貰えない。地獄です、これは。
やっとの思いで、麗子さんから逃れ得たと思ったのに、また貴女の手の中だ。
どうして、僕なんかを…。
麗子さんとは、不釣り合いな僕です。いや、そうじゃない。
釣り合うとか、そんなことじゃない。
麗子さんは、素敵過ぎます。魅力的すぎます。
麗子さんとこうしてデート出来るだけでも、感謝しなければいけないのかもしれない。
でも、…僕は生身の人間です。
牧子さんは、麗子さんほど魅力ある女性じゃありません。
いえ、麗子さん以上の女性を、僕は知らない。きっと、居ないでしょう。
でも、僕は牧子さんが好きなんです。
彼女で、いいんです。
なのにどうして、僕なんかをる貴女に声を掛けられて、それに抗する男など居ないでしょう」

重苦しく、詰まりながらも話し終えると、彼は大きくため息を吐いた。
そんな彼を、麗子は満足気に見つめた。
獲物を見つけた鷹さながらに、彼を見つめた。そして徐に口を開いた。
「そうね。確かに、貴方と私では、住む世界が違いすぎるわ。
初めは、毛色の違う面白い男性だと思っていたわ。
でもね、今は違うのよ。危なっかしいのよ、貴方は。放っておけないの。
いいわ。本当のことをお話しするわ。
初めはね、沢山の取り巻きの一人に過ぎなかったわ。
でもね、貴方とのお付き合いを止めてから、
ポッカリと穴が開いたの。自分でも、信じられないことなの」

身をよじって逃れようとする獲物を、その鋭い爪でもって押さえつける鷹だった。
きらきらと輝く糸に絡まっている獲物を、じっと見つめる女郎蜘蛛でもあった。

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