メニュー

最新の記事

一覧を見る>>

テーマ

カレンダー

月別

敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空・第一部〜(十四) ぽっかりと心に穴が 

2015年06月30日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



そうねえ。察するに、その友人って、マザコンの気があるわね。
あっ、それは仕方のないことなのよ。母一人子一人では、それが当たり前なんだから。
それはそれとして、お母さまのことだけど。
恐らくお一人になられて、淋しくなられたんじゃないかしら。
子育て中は、そりゃもう夢中だったと思うわ。
女であることも、忘れていたんじゃないかしら。
で、子供が巣立ってしまうと、ぽっかりと心に穴が空いたんじゃないかしら。
あくまで、私の想像だけどね」

小原は彼の背をさすりながら、言葉を続けた。
「多分だけどね。貴方の友人も頭では分かっているのよ、きっと。
だけど、消化できないでんしょうね。無理もないことよ、それは。
もっと年齢を重ねれば、許せると思うわ。
唯、そのことでお母さんを責めないでほしいわ。
そっとしていて欲しいわ、私からのお願いよ」

まさしく彼の求めていた言葉を、小原が告げてくれたことに彼は感謝した。
「そうですね、そうですよね。許せないという気持ちは、仕方がないですよね。
でも、心の中に秘めておくべきですよね。
そうですよね、僕も友人にそう言ったんですよ」
小原にと言うよりは、己に言い聞かせるような口調だった。

「あっ! 今、何時ですか? うわあ、もう一時過ぎですか。ごめんなさい、遅くまで」
立ち上がろうとした彼だったが、急激に酔いが回り涼子の肩に崩れ落ちた。
「大丈夫? 無理しないでいいのよ。言ったでしょ、飲み明かすって。
泊まっていきなさい、今夜は。私もね、今夜は一人になりたくないの。
もうすぐ、日本から離れるつもりなの。
まだ誰にも言ってないんだけど、アメリカに行くの。
向こうの大学で、少し勉強してこようと思ってるの」
「えぇっ!? アメリカに、行かれるんですか?」
思いも寄らぬ小原の言葉に、彼は素っ頓狂な声を上げた。

>>元の記事・続きはこちら(外部のサイトに移動します)





この記事はナビトモではコメントを受け付けておりません

PR





掲載されている画像

    もっと見る

上部へ