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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空・第一部〜(十四) どんなことなの 

2015年06月29日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



「で? どんなことなの、相談って」
「はい。実は、友人のことなんです」

さすがに、彼自身の悩みだとは言えない彼だった。
「境遇が同じだということもあって、僕に悩みを打ち明けてきたんですが。
僕が母子家庭だということは、ご存じですよね?」

小原の視線から逃げるようにグラスに目を落としながら、彼は話を続けた。
小原は、うん、うんと頷きながら、ストレートのブランデーを口に運んだ。

「友人の母親に、男性が居るらしいんです。
相手の男性がどんな人なのかは、友人は知らないらしいんですが。
幼なじみから知らされたんです。
友人はすごく怒りまして、『許せない!』って、言うんです。
友人の気持ちも分かるんですが、お母さんの気持ちも分かるんです」

そこまで話した彼は喉に乾きを覚え、グラスのブランデーを一気に流し込んだ。
「あっ!そんな一気に飲んだら‥‥」
激しくむせぶ彼に、涼子は慌てて彼の背をさすった。
「大丈夫? はいっ、水を飲んで。ブランデーは、少しずつ飲まなきゃだめよ」

もう大丈夫ですという彼で、小原の答えを求めた。
「そうねえ。私は未婚だし、まして子供が居ないから。
的確な答えになるかどうかは、分からないけど。
やっぱり、男の人に頼りたくなる時もあるでしょうねえ。
で、いつからなの? 男性とのお付き合いは。最近なの? それとも、前から?」

「はあ。多分、最近だと思いますが。いや、最近だと言っていました。
高校時代まで一緒に暮らしていましたが、そんな雰囲気はなかったですし。
いや、なかったと言ってましたかしら」

しどろもどろに、彼は答えた。友人の話だというのに、断定調はおかしいと何度も言い直した。
小原は、彼自身の悩みだと気が付いたが、気付かぬふりをして話を聞き続けた。

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