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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空・第一部〜(十四) 送別会 

2015年06月20日 外部ブログ記事
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入院生活を終えた講師の退院によって、彼のバイトも終わる。
「つづけて教えてよ、先生」
子供たちから、嬉しい言葉が聞かれた。
彼にしても続けたいという気持ちはあるのだが、
「ご苦労さんだったね」
経営者の言葉は労いだけだった。

「そうですかあ。今夜で、御手洗先生は終わりですか」
「どうでしょう? 今さらという観はありますが、夏期講習終了の慰労会を兼ねて送別会でもしますか」
年長者である岡田の声掛かりで、近くの中華料理店で食事をすることになった。

奥まったテーブルに案内されると、店員に目配せをしながら二つのテーブルを一つに並べ替えた。
総勢十数人が座るには、それでも手狭ではあった。
それぞれ思い々々に席に着いたが、彼はどこに座ればいいのかとまごついてしまった。
「さあさあ。御手洗先生は、こちらにどうぞ」
岡田が、彼に声をかけてくれた。
「小田切先生、今夜はこちらに来てください。どうぞ、御手洗先生。
若い者同士、小原先生の隣に座ってください」

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