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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空・第一部〜(十四) 泣き虫じゃなくなるよ 

2015年06月19日 外部ブログ記事
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「茂子ちゃん。泣いていいんだよ、いっぱい泣いていいんだ。
泣き虫じゃないんだ、お父さんの言う泣き虫は、別なんだよ。
いっぱい泣いてね、それで終わりにするんだ。
もう次は、泣かないんだ。
するとね、強くなれる。泣き虫じゃなくなるよ」

「ほんと、ほんとにいいの? 泣いていいの? 
茂子、泣きたかったの。でもがまんしてたの、でも泣きたかったの。
すごく悲しかったの。
お母さんより、もっと悲しかったんだから。
うわーん!」

茂子の泣き声は教室を突き抜けて、塾全体に響き渡った。
「先生、ありがとうございました。
やっと、茂子も泣いてくれました。安心しました。
なんて情の強(こわ)い子だと思ってましたが、違ってたんですね。
ありがとうございました」

教室の外で事の成り行きを見ていた母親が、彼の手をとって何度も頭を下げた。
「お母さん、お母さあん。茂子、女医さんになる。いいよね、いいよね」
「もちろんよ。しっかり勉強して、なりましょうね」

「いやあ、御手洗くん。お手柄でした。
あの深堀茂子と言う子はね、お父さんを亡くして以来、ずっと殻に閉じこもったきりでね。
勉強は一生懸命やる子だったけれどね。
でもそれは片肺飛行みたいなもんで、ちょっと心配してたんです。
小っちゃな胸が膨らんだ状態でいたんだね。
いつ破裂してもおかしくなかったようだな。
よく、開いてくれました」
「いえ、僕も同じ母子家庭ですから。あの子も、そろそろ限界だったんですよ」

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