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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空・第一部〜(十四) 泣き虫は嫌いだ。 

2015年06月18日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



「茂子ちゃんの目標を聞かせて欲しいな」
「どうして? どうして、そう思うの?」
「うん。他のみんなとは、違って見えたからね」

「ふーん、たけし先生は分かるんだ。みんなには、言っちゃイヤだよ。
茂子はね、女医さんになりたいの。外科医になってね、たくさんの人を手術してあげたいの」

キラキラと目を輝かせる茂子は、今までの茂子とは明らかに違っていた。
同じ境遇である彼なら、自分の思いを話してもいいと感じていた。

「お父さんね、がんだったんだって。お父さんね、知ってたんだって。
でもね、でもね、お金がなかったから、がまんしたんだって。
だからね、茂子はね、ただで手術してあげたいの」

「そうか‥‥。茂子ちゃん、辛かったね」
茂子の涙目の理由を知った彼は、込み上げてくる感情を抑えることができなかった。
「へんなの、たけし先生。泣いてるの?」

「お母さんもね、すごく泣いてた。毎日毎日、泣いてた。茂子のごはんを忘れるぐらい泣いてた」
「うんうん。哀しかったんだね。茂子ちゃんも、泣いたの?」

「ううん、泣かなかった。お父さんね、泣き虫が嫌いなの。茂子が泣くと、いつも言ってた。
『お父さん、泣き虫は嫌いだ。泣きたくても、笑ってごらん。きっと、いい気持ちになれるよ』って。
でもね、茂子、笑えなかった。でも、泣かなかった」
膝をグッと掴みながらも、目が潤み始めても、涙がこぼれることはなかった。

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