メニュー

最新の記事

一覧を見る>>

テーマ

カレンダー

月別

独りディナー

ピアノの指使い 

2015年06月08日 ナビトモブログ記事
テーマ:音楽

ちょっと、オタクっぽい内容かな、と思いつつブログをアップしたら、早速コメントを頂いたので、勢いに乗って続きを書いてみようと思う。


ピアノを弾く時の指使いだが・・。

一般に練習曲といわれる教則本には、細かく指使いが書き込まれている。

例えば、ツェルニーという作曲家は、ベートーヴェンの弟子で、彼は数百曲に及ぶ練習曲を残しているが、それらもしかり。

つまりそれらは、ピアノを弾く上で使われる音型の基本的指使いを、頭ではなくて指に記憶させる為の練習曲なのだ。


だから子供の時に、殆ど機械的に練習を繰り返すのは、決して無駄な事ではない。


基本的なパターンが指に入っていると、音型を見れば自然に指が動いていく。

考えてみれば、数百曲に及ぶツェルニーの練習曲を、殆どのピアノ学習者は10年前後かけて学ぶのだ。

まあ、番号がついているから、子供にとっては習熟度が目に見えるようで、ある意味楽しいのだけれど。


音楽学校の入学試験には、初見演奏という科目がある。

初めて見た曲を、ぶっつけで弾く試験。

それも、音型のパターンを指で記憶しているからこそ、可能なのだ。


練習曲ではなくて、普通の作品にも、指使いが書き込まれていることは多い。

パターン化された指使いをまだ習熟していない、成長過程にある子供たちや、アマチュアの人たちにとって、自分で指使いを探すのは無理なことだろう。

でも楽譜に書かれた指使いは、あくまでも「参考までに」と捉えるのが自然であって、もっと弾きやすい方法があればそちらを選択すべきである。

その証拠に、様々な出版社から出されている楽譜は、編纂者によって詳細がかなり違う。


私が日本で使用していた楽譜は、春秋社版がほとんどであった。

この楽譜は、日本人ピアニストの井口元成先生が編纂されているので、指使いが海外の楽譜とは大きく異なっている。

ここまで研究されたのか、と驚くほどそれらは、手が小さいけれど小回りの利く日本人にとって、救いの様な指使いであった。

全くの私見だが、私の世代前後から世界へと羽ばたくピアニストが続出したのは、この楽譜と無関係ではないと思う。

ウィーンに留学した直後、春秋社版の指使いで弾く最初のレッスンで、「何だって・・?」と、私の手を驚いて覗き込んだ先生の姿を思い出す。


ウィーンでは、作曲家が譜面に書いた事だけが印刷されている「原典版」を使うようになった。

お蔭で、指使いは勿論、装飾音も、強弱も、フレージングも、何もかも自分で探り当てなくてはならなくなった。


毎回、楽譜を編纂する気分、というのは大げさだけど・・。

常に、質問されたら答えられる様に、というスタンスが目標である。



拍手する


コメントをするにはログインが必要です

教師としての心得ですね

シシーマニアさん

Rei さん、コメントありがとうございます。
音楽を学ぶ上で、縛り事が多すぎますよね。難行苦行に陥ってしまいがちで、教える方にかなりの責任があると思っています。
専門的に学ぶならともかく、楽しみでピアノを弾く場合には、その姿勢を教師がつぶす事にならない様、いつも初心に戻らなくてはと思っています。

2015/06/08 21:32:43

演奏が全てですけれど。

シシーマニアさん

SOYOKAZEさん、コメントありがとうございました。
楽譜に関しては、常々思うところがありますが、あくまでも私見です。
演奏する者にとっては、楽譜は作曲者との間を取り持ってくれる唯一の手がかりなので、どの楽譜を選ぶかも大きな問題です。
でも色々調べてみたところで、結局は演奏が全てですけれど・・。

2015/06/08 21:26:43

ピアノの練習

Reiさん

ツェルニーもずいぶん練習しましたが、指の練習は好きではなく、ソナチネなどの曲の方ばかり進んでいたような気がします。

指の番号が書いてあっても、その通りに弾かないことがよくありました。
その方が弾きやすかったので…
いけないことだと思っていましたが、それでもよかったんですね(((^_^;)

2015/06/08 19:02:44

日本人用の楽譜

さん

なるほど。
西洋人に比べて、小柄な我が同朋用に、書いてくれたから、今、世界で活躍するピアニストが生まれた。
思えば、陰の偉業ですね。
盲目のピアニスト、彼は、勤めていた料理屋におみえになりました。
本当はサインが欲しかったけれど、立場上できませんでした。
楽しそうに、皆さんと召し上がっていらして、よかったです。^^

2015/06/08 17:43:21

外来物は、いろいろ楽しいのですけれど

シシーマニアさん

ピカ子さん、初めまして。
コメントありがとうございます。
そうですね、ピアノは自分の楽器を持ち運ぶことができないので、すべて同じサイズですよね。
子供はいうに及ばず、成人の日本女性にとっても、鍵盤は大きすぎます。まあ、西洋の大男は指が鍵盤の間に挟まりそうになる、などとも聞いたことはありますが。
外来文化を取り入れるのは、難しいものですね。

2015/06/08 12:14:04

初めまして。

さん

少し今回のテーマから外れてしまいますが、
ヴァイオリンも音感が大事ですから早くから習わせる事も出来ます。その第一条件がそれなりの身体に合わせられる。ピアノは幼児用がない。
鍵盤に置く指の角度が、難しい。
専門的な事は解りませんが、ブログを楽しみに読ませて頂いてて、ふと思ったものですから。
これからも楽しみにしています。

2015/06/08 11:48:01

PR





上部へ